自分の評価をしてほしい人を5人選ぶ

 「固定残業手当を含んだ年俸制で、年俸額は年2回の360度評価で決まります。自分の仕事ぶりをちゃんと評価してくれそうな社員5人を自分で選び、その5人に評価してもらいます。指名された人は、それほど関わりがなかったなど、相手の働きぶりを評価できないと感じたら拒否もできます。5人から出た評価結果を、独自のアルゴリズムで貢献度順に並べ、それをベースに最終的にボードメンバーが給与額を決める仕組みです」(佐久本さん)

 「すべてにおいて言えることですが、個人の納得感を大事にしています。時短勤務で仕事量をみんなの8割に抑えたいから、給与も8割に抑えると本人が納得すればそれでOKです。今はセーブする時期、今は頑張る時期など、チームメンバーにちゃんと話をして合意があれば、どんな形でも可能です」(南さん)

 意欲あるメンバーが、無駄なストレスなく働ける環境をつくる――。その方針は、あらゆる角度から徹底されており、株の付与もその一例といえる。

 「特定譲渡制限付株式」という制度を活用して、全社員に対して自社株が付与される。「子どもを3人も育てていると、将来の教育資金、住居のこと、自分の親の今後など、心配事は多いです。株を持っていることで、将来に対する不安を取り除けます。紙切れになる可能性はありますが、紙切れにしないように自分たちが努力をすればいい。そのために日々自分たちは働いているので、紙切れになるわけはないとも思っています。将来に対する不安を持たずに働ける、という点が自分にとっては大きなメリットです」(佐久本さん)

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 次回は佐久本さんの夫が登場します。

取材・文/小林浩子(日経DUAL編集部) 写真/花井智子