日経DUALの「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」で見事グランプリを受賞したSCSK。「IT企業というイメージ通りにかつてはブラックだった」というSCSKがいったいどのように“ホワイト”企業になったのか。施策についての詳報「SCSK 残業しなくても一律残業代をもらえる理由」に続いて、代表取締役 社長執行役員の谷原徹さんにお話を伺う。前のトップから働き方改革のバトンを受け継ぎ、さらに充実させている秘密に迫った。

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意外な事実! 谷原社長自身が“反対勢力”だった

SCSK代表取締役 社長執行役員の谷原徹さん
SCSK代表取締役 社長執行役員の谷原徹さん

 「正直、最初は反対していました」

 現在、SCSKの社長である谷原さんは意外な事実を打ち明けてくれた。SCSKで働き方改革が始まった当初、谷原さん自身、“反対勢力”だったという。

 SCSKの働き方改革は中井戸信英社長(当時、現在は退任)の旗振りで始まった。2012年から一部の部署で段階的に残業削減を始め、2013年度から全社的に「月間平均残業時間20時間未満」「年次有給休暇20日(100%)取得」を目指す「スマートワーク・チャレンジ」をスタート。残業削減を指示する中井戸社長に対し、谷原さんは「無理です。お客様に言われたらノーとは言えません」と反対したという。当時、谷原さんは、クラウドサービスやデータセンターを扱う現場のトップだった。

 谷原さんは35年以上、この業界で働いている。お客様の要求に“24時間365日”対応することが当たり前の「現場」を知り抜いているという自負があるからこその抵抗だった。「中井戸さんには、徹底的に怒られましたよ。『おまえはコミュニケーションをはき違えている。本当にお客様と膝を突き合わせて語り合ったんか』とね」

現場に足を運び、膝を突き合わせて語り合うことが大切

 「ひょっとしたら、そこまではやっていないかもしれない」。谷原さんは自問自答した。

 「残業が減らないのは、この現場のシステムを自動化できていないからかもしれない、と考えました。自動化できれば、うちもお客様も、時間的にも金銭的にも助かる。それでお客様に『一緒に自動化する仕組みを作りましょう』と声をかけてみました。新しい仕組みを作るとなると、相手企業のさらに上層部の方が対応してくださったりして、新たな仕事のチャンスが生まれました。コミュニケーションの本質、コミュニケーションの大事さが身に染みました。本当に反省しましたよ」

 この経験を通じて、谷原さんは働き方改革の神髄、さらには「上司の存在意義」にまで気が付いた。

 「正直言うとね、僕、昔から上司という存在が嫌いだったんですよ。色々うるさく言われるしね。でも、上司の仕事は『部下に指示をすること』ではなく、『部下に気付いてもらうこと』なんだと分かりました。働き方改革の実現には、繰り返し同じことをトップが言い続けることも大切ですし、『社員に気付いてもらうこと』も重要です。すべてはコミュニケーションから生まれると思っています。上司が現場に足を運んで、膝を突き合わせて語り合うことが、最も重要だと思います」

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