日経DUALの「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」で第10位にランクインしたセイコーエプソン(本社:長野県諏訪市)。人材をかけがえのない経営資源と位置付ける同社では、キャリアを希望する社員が性別にかかわらず活躍できるよう、ワークライフバランスを促進する様々な取り組みを企画・実行してきた。今回は、ロールモデルとして取り組みを牽引するパパ社員・ママ社員にお話を伺い、前後編に分けてお届けする。前編の「職場での肩書は夫の育児・家事シェア率とは関係ない」に続き、後編となる今回は、4人の娘の母として共働き子育てを実践する社内の女性のロールモデルであり、両立に不可欠な数々の施策を立案・実行してきたママ社員、矢尾ひろ美さんにご登場いただく。

出産を機に、自ら人事部への異動を希望

エプソン・人事部・矢尾ひろ美さん

 矢尾さんの入社は2001年。海外と関わる仕事を志して入社し、海外営業の部署に配属された。充実した日々を送っていたが、妊娠をきっかけに「海外営業で働き続けるのは難しい」と感じるようになったという。育児と両立しながら海外営業として働く女性は今でこそたくさんいるが、当時は制度も整っておらず、海外出張が多く、時差がある中で会議もこなさなければならないとあって、両立することはかなりハードだった。

 「入社したときは、シニアスタッフと呼ばれるリーダー層を目指したいと思っていました。当時の営業の女性は30前後で昇進するケースがほとんどだったので、私も何となく同じようなキャリアプランを想定していたんです。しかし、いざ妊娠してみると、子育てと両立するのは難しいと実感しました」

 同じようにキャリアに行き詰まりを感じた女性は、ここで退職というカードを切ることが少なくない。しかし、矢尾さんには「辞める」という選択肢はなかった。社内には産後も働き続けている女性が多く、「働き続けるのは普通のこと」という風土が根付いていたからだ。矢尾さんは、社内で異動を申請する決断をし、育休中にCFP(ファイナンシャル・プランナーの民間資格)と社会保険労務士の資格を取得。人に関わる仕事がしたいという思いもあって、人事部への異動を希望した。

 「異動するなら人事部で働きたいと思っていたので、アピール材料にするために妊娠中から勉強を始めました。妊娠は、私のキャリアにとって大きなターニングポイントでしたね」

 人事として職場復帰をした矢尾さんは、ワークライフバランスを推進するための様々な施策を企画・立案。次々と実行に移していく。

次ページから読める内容

  • 「総労働時間の削減」「働きかた労使委員会」「男性育休マニュアル」
  • 4人目の育休中にベビーシッターサービスの無償化を実現
  • 「働きやすさ」から「働きがい」の追求へ

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