日本経済新聞が2017年から行っている、創業20年以内の国内の未上場企業を対象にしたNEXTユニコーン調査。その第2回(2018年)調査で推定企業価値801億円として、第2位にランクインしたのがエナジーテック企業のパネイルだ。共働き社員も多数在籍している同社には、子育てとの両立のしやすさにも一役買っている独自の制度や、ムダな残業を無くし、限られた時間で最大のパフォーマンスを出すために社員一丸となって協力し合う企業文化があるという。人事部部長の山下嘉彦さんにお話を伺った。

<パネイル 企業レポート>
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【下編】パネイル 副社長ママ&管理職パパの両立術

 パネイルの創業は2012年の12月。IT技術を用いて大手企業のエネルギー事業のデジタル化やコスト削減、サービス品質向上などに関する支援やコンサルティングを行う、というのが同社の主な事業内容だ。

 創業7年目の現在は、約80人の社員を抱え、東京本社の他に名古屋支社、大阪支社、福岡支社を構える。平均年齢が34.8歳(男女比3:2)で、共働き世帯の社員も多く、管理職の8割がパパやママ。人事部長の山下嘉彦さん自身も、6歳と4歳の娘を育てる共働きパパだ。

パネイル人事部長で、6歳と4歳の娘を育てる共働きパパの山下嘉彦さん
パネイル人事部長で、6歳と4歳の娘を育てる共働きパパの山下嘉彦さん

 そうした共働き社員たちに非常に喜ばれているという、独特の制度が同社にはある。それが「家事代行サポート制度」と、「習い事サポート制度」だ。

家事代行やベビーシッター代を会社が半額負担

 「家事代行サポート制度」は、2年前に誕生した制度で、ひと月のうち月上限1万円まで、費用を50%負担してくれるというもの。家事代行だけでなくベビーシッターサービスも対象だ。

 「子育て中の社員が両立に苦戦している様子を見て導入された制度です。実は社員なら誰でも利用が可能なので、単身者の社員が、年末の大掃除をプロに頼む際に利用したり、男性社員が、育児や家事のストレスを強く感じていた専業主婦の妻をサポートするために利用するなど、共働き以外の社員の利用実績もあります。

 自費で家事代行を頼むのは気が引けても、『会社に補助制度があるのなら、使わないと損だから』と、気軽にサービスを利用するきっかけになっているようです」(山下さん)