働き方を変えるプロジェクトに取り組む建設機械メーカーの「技研製作所」。子育て中の男性社員と人事担当社員が登場した前編に続き、後編は夫婦で時短勤務を活用して仕事と育児を両立する女性社員に話を聞く。男性が多いイメージの建設土木業界。同社の女性比率も決して高くはないが、女性社員の復職率はほぼ100%、復帰後の昇進率も高いという。

<技研製作所 取材リポート>
【前編】 コミュニケーション改革で「帰れない理由」洗い出す
【後編】 夫婦で時短 スマートスピーカーも駆使して情報共有←今回はココ

高くない女性社員比率、でも「不安を感じることはなかった」

 建設土木業界といえば、男性が多数を占めるイメージが強い。建設機械メーカーの「技研製作所」のグループ全体でも、増えているとはいえ、社員約600人のうち女性社員は1割弱という低い割合にとどまっている。だが、女性社員の復職率はほぼ100%、復帰後の昇進率も高いという。

 「子どもを育てながら活躍している女性の先輩がいるので、不安を感じることはありませんでした」。そう話すのは、工法事業部エンジニアリング課の宮之原朋子さん。入社して5年目の宮之原さんは現在、同社製品の新しい使い方を提案する仕事をしている。

 社内結婚して2018年11月に出産し、今年5月に半年の産育休から復帰。復帰後は夫婦ともに、1時間の時短勤務を活用している。「夫は、私が勤務する東京本社とは別の、都内にある弊社事務所で働いています。弊社の規定では、1歳未満の子どもを育てる女性に限らず、男性も給与が変わらず1時間を育児時間として取れるので、夫婦ともに1時間ずつの時短勤務を選択しました」

工法事業部エンジニアリング課の宮之原朋子さん
工法事業部エンジニアリング課の宮之原朋子さん