「100年ブランドカンパニー」の実現を目指し、女性やシニア層向けの商品にも力を入れている日清食品グループ。多様な顧客のニーズに対応するための変革の一つとして、社内でもさまざまな価値観や働き方を尊重するダイバーシティの推進に取り組んでいる。どのようにダイバーシティを浸透させたかを紹介した前編に続き、後編では、時短勤務中のママ・中途入社・外国籍など多様な社員で構成されたチームでのマネジメント経験を持つ上原秀介さんが登場。イクボスとして心掛けていることについて伺った。

コミュニケーション不足で生じる修正作業を最小限に

 日清食品冷凍のマーケティング部でプロダクトマネージャーを務めている上原秀介さん。プライベートでは高校2年生と中学2年生の子どもを持つ父親でもある。上原さんは現在の部署に異動になる前は、日清食品ホールディングスのデザインルームで課長を務めていた。日清食品は1年間に約350もの即席麺の新商品を発売しているが、そのすべてのパッケージデザインを手掛けているのが、デザインルームで働く社内デザイナーたちだ。

 「僕が着任した当時のデザインルームは、全体の7割が女性、5割が中途入社の社員という構成でした。さらに、子育てのため時短勤務中のママが3人、外国籍の社員が1人、カムバック(再雇用)制度で復職してきた社員が1人いて、メンバーの属性は実にさまざまです。僕はデザインについては詳しいわけではなかったので、所属メンバーが生き生きと働けるようにすることが自分の仕事だと考え、働く環境の整備に取り組みました

 上原さんがまず取り組んだのは、コミュニケーションのずれから生じる修正の作業を減らすこと。特に、曖昧な指示をなくすことを徹底したという。

 「デザインの仕事では、『ふんわりした感じで』というように、求めるアウトプットを定性的なイメージで語りがちです。でも、こういった曖昧な表現では思い浮かべるものが人によって異なりますから、意図していたもの出来上がったものにズレが生じるという事態を招きやすくなります。それならば、仕事が始まる時点でコミュニケーションを密にしようと考えました」

日清食品冷凍 マーケティング部第2グループプロダクトマネージャーの上原秀介さん

次ページから読める内容

  • 一部の社員に負担が集中しない仕組みづくりが重要
  • 「何ができないのか」の本音を話してもらうことから
  • 先入観にとらわれずに、目の前のその人と向き合う

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