「100年ブランドカンパニー」の実現を目指し、女性やシニア層向けの商品にも力を入れている日清食品グループ。多様な顧客のニーズに対応するための変革の1つとして、社内でもさまざまな価値観や働き方を尊重するダイバーシティの推進に取り組んでいる。前編では、日清食品ホールディングスの人事部のプロジェクトリーダーで、ダイバーシティ委員会のメンバーでもある2児のママ、段村典子さんにお話を伺った。

「女性たちが前に出るべき」という一言がきっかけに

 日清食品ホールディングスがダイバーシティ推進に注力するようになったのは、2015年のこと。外部から迎えた女性の執行役員から「この会社には優秀な女性社員がいるのに、皆おとなしくてもったいない。女性たちがもっと前に出るべきだ」との指摘を受けたのがきっかけだった。

 「全社的にグローバル戦略を推し進めるにあたり、女性や外国籍の方も含めた多様なキャリアを持つ人材を採用した結果、中途採用の社員が全体の3割を占めるまでになりました。異なる経験や価値観を持つ人々が共に働くようになったことで、ダイバーシティ推進の必要性が高まりました。特に、女性社員からは『産休・育休から復帰するイメージが描けない』『キャリアプランについて相談できる場が欲しい』という声が寄せられていて、具体的な施策を打ち出すのが急務でした」と、人事部の段村典子さんは当時のことを振り返る。

 そこで同社は、2015年に有志の社員からなる「ダイバーシティ委員会」を設置。2016年を「ダイバーシティ元年」と位置付け、在宅勤務制度、カムバック(再雇用)制度、非常時保育料金補助制度、育児休業の延長、早期復帰支援、時短勤務柔軟化、失効休暇育児利用など、さまざまな両立支援制度の新設・拡充を行った。また、多様なバックグラウンドを持つ社員が交流するイベント「隣のダイバーシティ」を実施するなど、会社の風土を変えるための取り組みも実施。2017年度には、在宅勤務制度の対象拡大、営業部門へのスーパーフレックス制度導に加えて、ダイバーシティを推進するリーダーやチームを表彰する「DIVERSITY AWARD」、社員の家族を会社に招く「NISSIN Family Day」を実施するなど、取り組みをさらに加速させていった。

 これらの改革は、通常であれば5年、10年といった時間を要するケースが多い。それをこれだけの短期間に実現できたのはなぜなのだろうか。段村さんに尋ねると、返ってきたのは次のような答えだった。

人事部プロジェクトリーダーの段村典子さん

次ページから読める内容

  • 社員自らがそれぞれのスキルや経験を生かして改革を推進
  • スマートワークを身近にした「B面プロジェクト」
  • 女性支援は「働き続ける」から「活躍支援」の段階へ
  • 「こども休暇」導入で男性社員も休みを取りやすくなった

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