自分の行動で少しでも社会を変えたい

 夫婦で長期の育休を取るに当たり、収入面での不安はなかったのか。

 「今は育休取得開始から180日間は、国から給与の2/3相当もの育児休業給付金が出ますし、それまでもあまりお金を使わない生活をしてきたので、あまり不安は感じていませんでした。妻とも事前に話し合って、これなら大丈夫だねということになりました」

 収入に対する特別な執着も感じられない川野さんだが、今後のキャリアについては、どう考えているのだろうか。

 「実は、父親である自分が長期で育休を取った理由の1つに、社会を変えたいという思いもあったんです。誰かがやらなきゃ続かない。だからこそ、自分の復帰後のキャリアを停滞させてはいけないと感じています。男性育休を取得しても、きちんとキャリアアップしていく前例を作っていきたいです

取材・文/磯部麻衣 イメージ写真/PIXTA