テレワークは育児中社員なら利用日数の制限なし

 2013年にテレワークを導入したそもそもの目的は、生産性を上げ総労働時間を削減することで、学習のための時間や新たな成長機会の確保へとつなげることだ。育児がある人は等級や利用日数の制限なく利用できるようにし、会社設立当初から導入しているコアタイム無しのフルフレックス制度とあわせて、働く場所と時間の自由度を飛躍的に高めている。これらの制度を設けたことで、病気の際の看病を担う男性社員や、「責任ある仕事を引き受けられる」と思う女性社員の増加にもつながったという。

 子育て中の女性社員のキャリアや男性社員の育休取得などを会社としてサポートしてきたのは、「組織」の在り方が、同じようなライフスタイルを送り、同じような価値観を持つ人の集合体から、多様なライフスタイルで多様な価値観を持つ人材が幅広く存在する方向に変化する、という読みがあるからだという。

 「育児や介護などの必要に迫られた特定の社員に限らず、すべての社員が学びや趣味・特技、地域活動や学校のPTA活動、ボランティアや兼業などの様々な社外経験を積むことは、業務にプラスになると考え、性別や年代を問わず大いに奨励しています」。その結果、男女年代問わず、社員が目の前の業務だけではなく、中長期で豊かなキャリアを築いていける環境も整ってきたという。

 下編では、同社で「妻出産休暇」を取得したパパ社員と、営業という最前線で活躍するママ社員の子育てと仕事の両立に奮闘する姿を紹介する。

取材・文/磯部麻衣、蓬莱明子