日経DUALでは「待ったなしの少子化対策」と、内閣府も推進する「ワーク・ライフ・バランスを保ちながら生産性高く働くための働き方改革」という2つの視点で優秀な企業を応援する取り組みとして、第3回となる「共働き子育てしやすい企業グランプリ」調査を実施しました。今回は、24位にランクインしたアクトインディの施策を紹介します。

<アクトインディ株式会社>
設立/2003年 本社/東京都品川区 正社員数/68人(女性比率は約36.8%)
社名は「act(言うだけ、考えるだけ、でなく行動をおこす)」「independence(しがらみなく、独立した立場で自由に自社の理念を追求していく)」「individuality(個性を尊重し、従業員が自己実現できる場所であり続ける)」に由来。子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」、パパママ向けのお出かけニュースサイト「いこレポ」などのインターネットサービスやイベント事業を展開している。

ライフを充実させることがワークの成果向上に

 子ども連れでのお出かけ情報サイト「いこーよ」の運営などを手がけるアクトインディは、「従業員とその家族、取引先、お客様、その他かかわりを持つ心のある人々に幸せを提供できる会社であること」をミッションに掲げる。創業当初、24時間体制でシニア向けサービスを運営していた時期は深夜まで残業することも多かったという同社だが、フレックスタイム制度と自宅勤務制度(リモートワーク)の活用によりフレキシブルな勤務を可能にしてきた。

  働く「時間」と「場所」の制約をなくし、社員それぞれが生産性の高い働き方ができるようにした結果、2017年には一人あたりの月間平均残業時間が12時間となり、前年から7%の削減を達成。それにもかかわらず生産性は向上し、同期間の一人あたりの売り上げと利益の伸び率は、それぞれ前年比131%、144%となった。この背景を、管理部の村下優美さんは次のように説明する。

 「フレックスタイム制度もリモートワークも、労働時間を減らそうという狙いで始めたわけではありません。弊社は全体の約7割にあたる社員が子育て中なので、何よりも重視したのは、社員が家族との時間を大切にしながら主体的に働いて成果を出せる環境づくりです。ワーク・ライフ・バランスのライフを充実させるために、仕事の効率を意識する社員が増えたことが、会社全体の生産性の向上につながったのだと思います」。

 主力事業の一つである「いこーよ」は、子育て中のパパ・ママ向け情報を発信するサイトなので、子育て中の社員が各自のライフを充実させることは、会社が提供するサービスの質の向上にも結び付く。二児の母であり、子育て支援事業部事業推進チームのマネージャーを務める鎭目美代子さんは、次のように話す。

 「一般的にはワークとライフは相反するもので、どちらか一方を重視すれば、もう一方のウエートは軽くなってしまいがちです。でも、この会社では、子育てをすること自体がワークの充実につながります。ワークとライフは分割されたものではなく、自分自身が子育て中であることで、よりユーザー視点に立ったサービスが提供できるようになるのです」。

管理部 村下優美さん
管理部 村下優美さん
<次のページからの内容>

● フレックスとリモートを組み合わせた子育て社員の働き方
● 育休取得者ゼロなのに、男性の育児参加が進む理由
● 「おかげさま」の気持ちを再認識させるリスペクトイベント
● 「おたがいさま」の風土づくりを促す評価項目

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<主な内容>
●第1章
働き方改革はここまで来た!
先進企業の働き方改革の中身を見せます
「共働き子育てしやすい企業ランキング」の上位25社、先進企業の評価・分析
「男性育休取得率」「女性管理職の割合」「正社員に占める女性割合」などテーマ別ランキング
10の業界で比較、上位企業の調査回答

●第2章
25社を総力取材!成果を出している企業の実例
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●第3章
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● 定価:本体90,000円+税
● A4、約200ページ
● 発売日:2019年6月28日予定

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