日経DUALの「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」で6位にランクインしたNTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)。同社の「両立しやすさ」についてお届けしている前中後編の後編となるこの記事では、子会社のNTTコムソリューションズ(以下、NTTコムソル)に出向し、30人のメンバーのリーダーとして働く、SE職の女性社員と、女性対象のネットワーキングセミナー「なでしこコムソル」の女性リーダーにご登場いただく。両立支援制度が充実した企業の次なる課題とは。

【子育て企業2017・第6位・NTTコミュニケーションズ】
(上) NTTコム 在宅勤務で育児時間を捻出した両立パパ
(中) カラオケルームも活用 柔軟な働き方を社内外へ発信
(下) NTTコムソル 仕事と育児の両立に不安を感じない ←今回はココ

20~50代の30人のメンバーを率いるリーダーに抜擢

「この会社は制度が整っているので、子どもを持つことに不安はありません」(NTTコムソリューションズ、マネジメントソリューション本部ビジネスシステムソリューション部主査・子安 瞳さん)
「この会社は制度が整っているので、子どもを持つことに不安はありません」(NTTコムソリューションズ、マネジメントソリューション本部ビジネスシステムソリューション部主査・子安 瞳さん)

 「チームメンバーには私より年齢が20歳ぐらい上の方もいれば、私より若手もいます。色々な年代の人が混在しているので、それぞれの方の背景を踏まえてコミュニケーションを考えるよう工夫しています」。NTTコムソルの子安瞳さん(マネジメントソリューション本部ビジネスシステムソリューション部主査)はそう話す。

 子安さんは入社4年目で20~50代の30人のメンバーを率いるシステム運用案件のリーダー「運用統括」に抜擢された。女性メンバーは子安さんともう1人しかいない。「チームとして働いていることを常にメンバーに意識してもらえるよう、積極的に全員に話しかけて、フォローするように心がけています」と子安さん。

 「自分が判断しないと物事が進まないので、リーダーになって責任感は増しました。例えば、緊急事態が発生したときには、メンバーからエスカレーションされてきた内容を総合的に分析し『今起きている事象がこの先どうなるか』という予測を立て、自分で判断しなくてはなりません。判断を誤ると、ユーザ業務や会計処理に影響が出る可能性がありますので、責任は重いですよね」

 子安さんは同期と社内結婚している。「まだ子どもはいませんが、いつかは欲しいと思っていますし、子育てしながら働き続けたいです。この会社は制度が整っているので、子どもを持つことに不安はありません」と子安さん。

多忙なプロジェクトチーム「初の女性社員」

 子安さんは、大学院で数学を学んだ後、SEを希望してNTTコムに入社した。「数学はもう懲り懲りするほどやったので違うことがしたいと思っていました。東日本大震災を経験して、通信の大切さを実感し、ネットワークで様々なソリューションを提供する仕事に興味を持ちました。そして、NTTコムの先輩女性社員にお会いする機会があり、その方が仕事もできて、面倒見もよくて、本当に素敵で。彼女に憧れたのも入社の理由の一つです

 入社後は、子会社に出向。多忙な部署として知られる現在のプロジェクトチームに、チーム初の女性社員として配属された。「システムを運用している部署なので緊急のトラブルが起きると突発的な残業も生じます。配属当初、『あそこは大変だぞ』と周囲の人に言われました。よく話に聞く『現場』がどういうものか体験したいと思っていたので、大変でしたがやりがいはありました。残業は多く、突発的な事態が起きると終電を逃してタクシー帰宅ということも。当時は月の残業が45時間を超えたこともありました」

 そんな状況が改善されるきっかけになったのが、2016年度から始まった、NTTコムソル独自の働き方改革「スマイルワーク」だ。年休取得を推進するため、記念日などを「マイ自粛日」として年休とすることを推奨。「長時間労働の削減」を目標とし、特に時間外労働の多いプロジェクトチームを中心に業務の見直しが行われた。