出産祝いにスープセットを贈り、社員と家族を慰労

 出産したママ社員や、配偶者が出産した社員へ贈る会社からの出産祝いにも、手紙を添えている。贈るのは、自社製品である冷凍スープのセット。新生児の育児に奮闘しているママやパパの身体をいたわるという目的で、大人向けのセレクトが基本だが、第2子以降の出産の場合は「上の子」の年齢に合わせて、子ども向けのスープも入ったセットにするという。そうしたきめ細やかな配慮に加え、その社員の部署のメンバーや、江澤さん他経営陣からの直筆の寄せ書きまで添えるというのだから、受け取った社員やその家族が喜ぶのも当然だろう。

このスープセットと寄せ書きは、実は子どもが誕生した社員だけでなく、全社員の誕生日にも贈っている。「それぞれの自宅に配送するのですが、社員だと自社商品を人から贈られる機会はないので、とても喜ばれています。贈られた側の気持ちを感じてもらえるというメリットもあります」(江澤さん)
このスープセットと寄せ書きは、実は子どもが誕生した社員だけでなく、全社員の誕生日にも贈っている。「それぞれの自宅に配送するのですが、社員だと自社商品を人から贈られる機会はないので、とても喜ばれています。贈られた側の気持ちを感じてもらえるというメリットもあります」(江澤さん)
このスープセットと寄せ書きは、実は子どもが誕生した社員だけでなく、全社員の誕生日にも贈っている。「それぞれの自宅に配送するのですが、社員だと自社商品を人から贈られる機会はないので、とても喜ばれています。贈られた側の気持ちを感じてもらえるというメリットもあります」(江澤さん)

子どもに向き合える年間12日の「生活価値拡充休暇」が好評

 2018年春から導入した「生活価値拡充休暇」制度も非常にユニークだ。これは、8日だった月の休みを9日に増やし、それに加え年間12日の休日休暇を付与するものだ。この「生活価値拡充休暇」の施策においては、年間の休日休暇が120日になるようにこだわったという。

 「私たちのようなサービス業や飲食業は営業時間も長く、休みも少なくなりがちです。オフィス勤めで暦通り休める人たちにとっては年間120日の休暇は当たり前。でもこの業種の人たちにとっては当たり前じゃないんです。それに、保育園に預けているママ社員は、毎月の8日の休みだけでは、保育園の祝日対応もできない状況でした」(江澤さん)

 この年間12日の休暇は、飛び石で取得してもいいし、連続で取得してもいい。

 「若手の社員は連休にして海外旅行をしたりしていますね。パパやママは毎月1日ずつ取って子どもの行事に充てる人もいれば、夏休みにまとめて取り、子どもと過ごす時間を増やす人もいます。子どもが小学生に上がるから、その準備のために3月にまとめて休むといったママもいました。社員から『安心して休むことができた』『家族との時間をたくさんつくることができた』などと、喜びの声をたくさんもらいました。『PTAの仕事を全うできた』という声もありましたね」。

 しかし、休暇を増やしたところで、店舗の営業時間が減るわけではない。結局は現場が回らないからと、「制度はあっても使われない」という、ありがちな状況には陥らなかったのだろうか。

 「実際に取得してもらうことを目標にしていたので、同時にヘルプ専門の特殊部隊をつくったんです。その部隊には、店長経験のある社員らが4人所属し、いろんなお店にヘルプに入ります。同じ社員であり、店長経験のある人が代わりに入ってくれることで、店長も安心して休暇が取れるようで、この1年でほぼ全社員が120日の休日休暇を取得することができました。

 私自身、サービス業や飲食業が大好きで、その楽しさを肌身で感じてきました。でも、休暇が取りにくいことで、職業として選ばれにくいのが現状で、それがとても悔しくて…。弊社が率先して状況を変えることで、社会全体に対するメッセージになればいいなと考えました