育休中社員に2回の研修を実施し、保活やスムーズな復帰を支援

 社員の育休中に2回実施する「ウェルカムバック研修」も充実している。1回目は認可保育園の申し込み前の時期に当たる8〜9月ごろに開催され、2回目は、復帰直前となる人が多い3月ごろ行われる。子連れでの参加もOKだ。

 「1回目の研修では、復帰に向けての流れを説明し、復帰後の配属先も伝えるようにしています。内々示のようなものですが、それが保育園選びの際に必要になるだろうという考えからです。また、その際に育休中の社員同士で、横のつながりができるようにも意識しています。

 2回目は、スムーズに復帰しやすいように、不在の間にあった会社の制度や体制の変化を共有します。また、先輩ママ社員を呼び、相談会も開催します。そして最後に、配偶者の方にあてた手紙を渡します」

 「ママたちをサポートしたいと思っても、会社ができるのは、社内におけるサポートのみ。でも、仕事と家事育児の両立には家族のサポートが不可欠です。その観点で、私たちにも何かできることがあるんじゃないかと思って生まれたのがこの手紙でした。

 『私たちは〇〇さん(女性社員の名前)に復帰してもらうことを楽しみに待っています。ぜひサポートをよろしくお願いします』という内容がメインで、あとは私が個別に伝えたいことを書いています。ママ社員からはすごく喜ばれていて、『会社から復帰を待っていると言われたのがうれしい』といった声を、たくさんいただいています。

 育休中は家事育児を全部一人でやっていて、復帰後の役割分担を決めたいのに、その話をなかなか切り出しにくいというママも多いと思うんです。夫婦間でその話し合いをするきっかけにもなればいいなと思っています。また、この手紙を読んでもらえたら、パートナーの方も『妻がいよいよ復帰するんだ』という覚悟を持っていただけるのではと考えています」

 夫が妻の仕事復帰に対して肯定的ではなかった家庭で、この手紙をきっかけに夫の気持ちが変化し、妻を応援してくれるようになった例もあるという。