2019年に「男性育休100%宣言」を出した、パナソニック コネクティッドソリューションズ社(以下パナソニックCNS社)。パナソニックの社内カンパニーとして2017 年に設立された同社の男性育休推進の施策について、前・後編で紹介。今回の前編では、2020年秋に育休を取得したパパ社員に体験談を聞いた。後編では男性育休取得率を上げるための同社の施策などを紹介する。(取材は2021年2月 肩書は取材当時)

<パナソニック コネクティッドソリューションズ社 企業リポート>
前編 子が10カ月の時に育休取得 経理パパが得た学びは ←今回はココ
後編 10日以上の「男性育休」取得が1→5割 奏功した策は

帰国したら育休を取りたい

 「米国で『家族第一』の働き方を当たり前と捉える文化に接し、自分も子どもができたら家族を大切にする働き方がしたいと思っていました」。そう話すのは、パナソニックCNS社カンパニー本社経理部海外ソリューション経理課主幹の荒川亮太さん。2020年春まで4年間、子会社に出向して米国に駐在していた。

 2009年にパナソニックに入社以降、経理畑を歩んできた荒川さん。米国駐在中の2019年12月に第1子が誕生した。「現地子会社には育休の制度はありませんでしたが、子の誕生直後は年末年始休暇を活用して、産後すぐから育児に関わることができました。その後も、上司と相談し、在宅勤務を活用しました。通勤時間を省けたおかげで、育児の時間を捻出できたのがよかったです」

 荒川さんは2020年4月、東京本社へ異動になった。帰国後の初出社はコロナの影響で、6月に。コロナ対策としてテレワークが推奨されたため、出社は週に1、2回ほど。在宅勤務の日は18時すぎに終業し、家族で夕飯を食べ、寝かしつけや子どものお風呂を担当してきた。

 「帰国後も、在宅勤務で通勤時間を省けた分、寝かしつけやお風呂も3分の1くらいは担当できました。残業がある場合でも、フレックスタイム制度を利用して、いったん子どもを寝かしつけてから在宅で仕事をするようにしました」

 一方、子育てにもっと本格的に関わるために、育休を取得したいと、米国にいるときから考えてもいた。

荒川亮太さん(カンパニー本社経理部海外ソリューション経理課主幹)
荒川亮太さん(カンパニー本社経理部海外ソリューション経理課主幹)