グローバル・デイリー代表取締役社長を務める中原宏尚さん
グローバル・デイリー代表取締役社長を務める中原宏尚さん

 「国籍やカルチャーが異なれば、価値観が違って当たり前。やはり、衝突は起きます。違った価値観を持つ個人をどのようにマネジメントすべきなのか、今まさに模索中です

 中国、韓国、台湾、香港、イギリス、米国、ベトナムなど、さまざまな国や地域にルーツを持つ社員がいる。「例えば、台湾では、上司に報告や相談をしないのが優秀な人、というカルチャーがあるようで途中経過の報告が来なかったり、『頑張ってね』という何気ない一言を、『頑張っていないから言われた』とダメ出しの言葉に受け取られたり。もちろん個人差はありますが、それぞれのカルチャーはやはり存在します」

 DACグループには「新白百合の会」という、ネットワークづくりを目的としたグループ横断的な女性だけの組織がある。女性がまだ社内で少数派だった1987年に発足したものだが「米国人スタッフから見たら『なぜ女性だけなのか』と逆差別とも捉えられかねない。出産や育児、冠婚葬祭などに関するカルチャーも含めると、やはり各国の違いは本当に大きいです」

日本人同士と違って「言わないでも察して」は無理

 「大前提として、日本人同士と異なり、『言わなくても、気付いて、察して』はまず難しいです」

 社内の公用語は日本語。「Aと伝えたつもりが、相手はBだと受け取っていた」ということも頻繁にあるという。「日本語がネイティブでないスタッフは、選択した言葉が正しくても、ベストではないときがあります。コミュニケーションがうまくいかないと生産性は落ちます。英語を公用語にするとまた違うメリットやデメリットがあるのかもしれません」