「21時ごろに子どもを寝かしつけてそのまま一緒に寝てしまうこともありますが、たいていは23時ぐらいまでは起きています。この時間が私にとって、本を読むなど、とても大事なインプットの時間になっています。ファイナンスや法務の知識など勉強したいことがたくさんあります。CFOになって、仕事内容が大幅に変わりました。これまでやっていた月次決算などの仕事は別の正社員を採用するなどして任せ、私自身は資金調達や業務提携などを担当して中長期的な視点で経営に関わっています。IPO(新規株式公開)という目標に向け、もっと大人の会社になっていくために引っ張っていく役割を担っています」

バリューを発揮できる組織に

 さまざまなことを経営視点で考えるようになった。「フルリモートOKという制度は、出産前や育児が大変だった時期の私個人の働き方としては、とても大きなメリットがありました。ただ、経営者目線で今振り返ると、私という個人のバリューを最大限に発揮できる制度だったかどうか、という観点で、見直せる点はあると感じています。経営チームに入ったので、変えるべき部分は、変えていきたいと思っています

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 後編では、中根さんたち新しいボードメンバーの元、同社が取り組む「変革」について紹介する。

取材・文/小林浩子(日経DUAL編集部) 写真/村田わかな