同社初の育休を取得、リモートワークも活用して幅広く活躍

 中根さんは広告代理店の営業職などを経て、2012年に同社に中途入社した。「ワーク・ライフ・バランスがとれる働き方をしたい」と考え、手に職をつけるために簿記を勉強。同社に入社した決め手は、「経理業務未経験者もOK」で経理職を募集していたこと。「働き方が自由という点に引かれたわけではありませんでした」

 経理業務を中心に法務、労務、総務、人事と幅広い業務を経験。2016年6月に出産して、同社初の育休を取得し、2017年4月に復帰した。「自分で調べたり、社労士に相談したりしながら、出産や育児に関して必要な制度をつくりました。誰かのライフイベントがあって初めて制度をつくることは、スタートアップではそんなに珍しくないです」

 中根さんは妊娠中からリモートワークを活用。「それまで私自身は、出社して働くことが普通でしたが、社内には以前から、誰でも特に申請なくリモートワークができる環境が整っていました。会計ソフトなどもクラウドで、物理的に出社しないとできない業務はほぼなかったです。妊娠後期で体が重くなってきたら家からオンラインでミーティングなどもしていました。また、復帰後も、子どもが1歳~2歳半ごろまでは、リモートワークを結構活用しました」

育児家事の分担は半々ぐらい、肩肘張らず、なるようになるかなと

ダイヤモンドメディアCFOの中根愛さん
ダイヤモンドメディアCFOの中根愛さん

 中根さんの夫も、日常的にリモートワークを取り入れる働き方をしているという。「夫はエンジニアで、もともと当社の創業メンバーの一人。今は転職しましたが、リモートワークが可能な働き方なので助かっています。例えば、夕方に私の打ち合わせが入って、保育園へのお迎えを夫に任せ、その後夫婦でバトンタッチして、夫が自宅で夜仕事をする、といったこともできます。家事は、洗濯乾燥機、食洗機を導入して、極力省力化を目指しています。夫婦ともガジェット好きで、例えば冷暖房は、リモートで帰宅前にスイッチを入れられるようにしています」

 「育児家事の分担は半々ぐらいです。代表に立候補するときは事前に夫に相談しましたが、応援してくれました」。今以上に忙しくなるかもしれないことに、中根さん自身、ためらいはなかったのだろうか。「子育ては夫と分担できていて、そこまできりきり追い詰められていなかったです。肩肘張らず、なるようになるかなと、いう感じでした」

CFOとして充実した毎日「勉強したいことがたくさん」

 CFOになったことで、状況は変化した。子育てに仕事に多忙を極める毎日だが充実感は大きいという。「仕事とプライベートの区分けがだんだんなくなってきました。でも日々、知らなかったことをたくさん知ることができて、本当に面白いと実感しています