社内にキッズルームを設け、子連れ出社OKに。さらに民間学童まで併設し、小学校帰りの社員の子どもたちまでが気軽に出入りしているのが、ブランドセキュリティサービスやインターネット集客支援などを手掛けるIT企業、エルプランニングだ。もともとは子育てや教育関連とも無関係の業種のIT企業ながら、社員が子どもを産み、育てることを奨励している同社では、ここ数年、若手社員の中で、新たに結婚したり、子どもが生まれたりする動きが相次いでいる。一体なぜ、同社はこれほど熱心に社員の子育て支援に取り組んでいるのか。経営面にはどんな効果を及ぼしているか。2回目に分けてリポートする。

<エルプランニング 企業リポート>
【上編】エルプランニング 社員皆で子育てする企業文化 ←今回はココ
【下編】「本当に大変なのは低学年」学童併設で社員を支援

 東京・五反田のエルプランニングのオフィス内にあるキッズルームは、社員の憩いの場でもある。「今日は〇〇さんが子どもを連れてきている」と聞けば、入れ代わり立ち代わり、社員たちがのぞきに来て、ひとしきり子どもと遊んで戻っていく。子どもを連れてきた親が、パソコンをキッズルームに持ち込んで、子どもを遊ばせながら仕事をするのは当たり前の風景。中には親以外の社員が、「子どもたちのそばにいたい」と、パソコンを持ち込んで中で仕事をしていることもあるという。

 同社には、2019年4月から学童保育が併設され、放課後になれば、利用する社員の子どもや近隣の小学校に通う子どもが、次々にやってくる(学童保育の詳細は下編で紹介)。「放課後になると、学童保育の部屋から子どもたちが大騒ぎしている声も聞こえてきたりします。最初は驚き、そわそわしていた社員たちも、今ではすっかり慣れて、全く動じることなく仕事をしています」。学童保育事業の責任者も務める取締役の橋詰チエミさんはこう話す。

 同社の子育て支援体制を語る上で、この橋詰さんと、経営管理部担当取締役・部長を担う櫛田摩耶さんは欠かすことのできないキーマン。それぞれ3人と4人の子どもを育てるベテランママだ。

 櫛田さんは公認会計士の資格を持ち、小学生3人と保育園児1人(12・10・7・2歳)の4人の男の子を育てる。もともとは非常勤監査役として同社に関わっていたが、2015年に経営メンバーとして参画。3人(当時)を育てるママでありながら取締役に就任した。

 実はそのタイミングで、社内には役員や社員に小さい子どもを育てる女性はいなかった。ところが、櫛田さんが取締役に就任した直後に4人目の妊娠が発覚。「役員として入社していたので、短期間だけ誰かに交代してもらう訳にも、長期間育休を取る訳にもいかず、一体どうしよう……と不安を感じていたところ、3人の子どもを育て上げていた大先輩ママの橋詰から、『赤ちゃん、会社に連れてきたら?』『みんなで育てたらいいじゃない?』と事もなげに言われて……。そっか!そうしていいんだ、と、安心して出産に臨むことができました」と櫛田さんは話す。

取締役として参画後に4人目を出産、しばらく子連れ出社した経験を持つ櫛田摩耶さん
取締役として参画後に4人目を出産、しばらく子連れ出社した経験を持つ櫛田摩耶さん

次ページから読める内容

  • オフィスにベビーベッドを持ち込み、自席で授乳
  • 妻の休息時間を確保するため、1歳の娘を連れて出社
  • 会社でママや子どもに触れ、育児に抵抗がなくなった
  • 月1万2000円の「近住手当」も効果

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