物流業務のアウトソーシングがクラウド上で手軽に行えるサービスを提供するオープンロジ(東京・豊島)。後編では、半年間の育児休業を取得しつつ、月に数日働くパパエンジニアを紹介する。

<オープンロジ取材リポート>
【前編】「看病で有休なくなった(涙)」嘆きから生まれた子ども看護休暇制度
【後編】育休取得しつつ必要な役割を果たすパパエンジニア ←今回はココ

 前編で登場したイクボス、原田邦彦さんの部下でシステムエンジニアの大島由樹さんは、ユニークな育児休業のスタイルを選択した一人。半年間の育児休業を取得しながら、休業中にも臨時的に出社したり、テレワークをしたりと、トータルで月に3~4日分就労するというものだ。

 「弊社は社内全体でパパ社員をバックアップしようという風土が根付いています。育休取得も上司から勧められました。ところが、育休中も自分以外では対処できない業務や、他の人が行うと時間がかかり過ぎてしまうという業務は一定量発生します。そこで、育児休業を取りつつ、対応が必要になったときのみ働くというスタイルを選択しています。半日出社するときもあれば、在宅で1時間ほど業務をするときもあり、月にトータルで3~4日分働くイメージです」と大島さんは話す。

 「育児休業を取得したいが必要な役割は果たしたい」というパパ社員の声と、「その人でないと対応できない業務が一定量発生する」という所属チーム側の声から検討され、体制が整えられた。

 「育休中は倉庫が利用するクラウドシステムの緊急対応をメインにやっていました。必要があれば出社し、作業が終わればすぐに帰ります。時々出社すると珍しがられて、他部署の人からも気軽に『お子さんどう?』などと声をかけてもらえました。育児の合間に仕事をするのは気分転換にもなりますし、自分のスキルが必要とされていることが実感できてうれしいですね。復職後もブランクを感じず、スムーズにチームに合流することができました」(大島さん)

同社で初めて男性育休を取得したシステムエンジニアの大島由樹さん
同社で初めて男性育休を取得したシステムエンジニアの大島由樹さん