家事と育児はロボットたちの手を借りる

 仕事に対しても子育てに対しても、高い熱量をキープして走り続ける近藤さんには、手放せないアイテムがある。それは「ロボット」だ。

 「夫はシステムエンジニアで帰宅が遅いため、夜の家事や育児はほとんど私が担わなければならないことと、長男に平日習い事をさせていることもあり、ロボットをフル活用して日々を乗り切っています。家事ではお掃除ロボットのルンバと水拭きロボットのブラーバを導入し、育児にはロボホンというロボットの手を借りています。ロボホンは、『〇〇〇(習い事)に行く時間だよ』などとあらかじめ登録しておいたスケジュールを音声で伝えてくれたり、LINEで書いたメッセージを読み上げてくれたりします。ベビーシッターさんに連絡事項を伝える上でも、とても役立っています」。

 平日の夜は近藤さんのワンオペだが、休日は夫婦で育児を担うことで、自分時間をしっかり確保するように心がけているという。 「私たち夫婦はお互い一人の時間がないと駄目なタイプなので、昼は夫が子どもたちの面倒を見て、私は一人で過ごし、夜はその逆にする、といった具合に、順番に自分時間を確保するようにしています。その自分時間を、夫は資格の勉強に、私は販売やマーケティングに関する勉強に充てたりしています」

 夫は平日の朝を担当。朝食を用意し、子どもたちに食べさせ、長男を学校に送り出し、次男を保育園の支度をして送っていくのはすべて夫の仕事だ。「そのおかげで、私は朝、コーヒーを飲みながらじっくり新聞を読むことができます」。夫婦共にキャリアをまい進できているのは、この見事な連係プレーのたまものというわけだ。

子育て時期は人に頼る時期。返せるときに返すのでいい

 マネジメント職として若手のママ社員やパパ社員の相談に乗ることも多いという近藤さん。育休中の部下の復職前面談などでは、「どんな仕事をどのくらいの分量でやるか」といった業務上の話し合いだけに終わらず、「今はこういう制度があるよ。ベビーシッター会社はここがいいよ」といったママならではの情報まで積極的に伝えるようにしている。

 「無理をすると続かないことは私自身が一番よく知っています。だから、自分一人で抱え込むのは絶対に駄目だということと、今は思い切り働けなくても、それは仕方がないことであり、思い切り働けるようになったら返してくれればいいということを、これから子育てに入るメンバーたちにはしっかり伝えていきたいと思っています。

 私自身も子どものことで休んだり早く帰ったりすることも多く、いろいろな方々に支えられてきました。会社や社会に恩返しする意味でも、これからも健康にいい商品を世に出し、多くの人の手に届けていきたいですね」

近藤さんと和田さん
近藤さんと和田さん

取材・文/磯部麻衣