日本IBMで自動車業界のITコンサルタントとして働く鈴木のり子さん。夫や自分の留学・転勤で海外を転々としながらも、中学2年生になる息子さんの子育てと仕事を両立してきました。共働き夫婦の増加で、パートナーの転勤によるキャリア維持に悩む人が増えていますが「諦めなければ、ピンチはチャンスにできる!」ということを実感できるインタビューです。

会社にデスクがない“フルモバイル社員”という働き方

藤村さん(以下、――) 日本に帰国後、中途採用で日本IBMに入社されて約3年だと伺いました。仕事と育児の両立しやすさ、働きやすさという点で、現在の職場環境はどうでしょうか?

鈴木さん(以下、敬称略) ポジションによると思うのですが、入社後、驚いたことは、会社に自分のデスクがない“フルモバイル社員”の多さです。私もその一人ですが、決まったデスクがなく、出社したらフリースペースで空席を探し、仕事をするという仕組みになっています。入社してすぐ「キャビネットを申請してください」と言われて、自分のものを置くためのキャビネットを発注して、私の荷物はそこに入れてあります。

 「誰がいつどこで仕事をしているか」ということを気にしている人もおらず、所属する事業所に出社することもあれば、お客様のところに行って仕事をすることもあるし、お客様の会社に一番近いIBMの事業所に行って仕事をすることもあります。何時までにどこにいなくてはいけないということがほとんどないので、そこは非常に働きやすいと感じます。会議でもその場にいられない場合は電話会議での参加というのが普通なので、これもありがたいです。

―― 本日取材でお邪魔している事業所の正面玄関に保育所がありましたし、本当に働きやすい会社という印象があります。一応、出社時間などは決まっているのでしょうか?

鈴木 私の場合は、出社時間を自分で決めていて、基本的には所属の事業所には、朝のうちに来ることが多いです。時間帯によってはフリースペースも混雑していて、空きデスクがなかなか見つからないということも。月曜日にデスクを確保したい場合は、いつもより少し早い時間に出社しています。

 私もそうなのですが、海外とのやり取りが多い仕事の場合、早朝や夕方に打ち合わせが多かったりするんです。夕方4時くらいから、ヨーロッパのオペレーションが開くので、そこから海外との電話会議が増えてきます。でも、ずっと会議に出ていると家に帰れなくなるので、途中で会議を入れない時間帯をつくり、その間にダッシュで帰宅して、パパッと夕飯の支度だけして、その後に自宅で電話会議を再開するということも結構あります。こうして働き方を自分でコントロールできるので、苦ではないです。