「アクセルを踏んだ後、ブレーキを踏む」働く母の葛藤と戦う日々

―― とにかくパワフルな椿さんですが、働くママとして両立生活を送るうえで、辛かったり不安になったりした時期はありますか?

椿 第一子、第二子、どちらのときも、仕事復帰する時期の前後は不安になりましたね。周囲に迷惑を掛けないかという不安ではなく、今後の自分のキャリアについての不安です。当時は、復帰後も一人のビジネスパーソンとして成長していけるのか、ということが不安でした。

 産休・育休中は、仕事から少し離れることもあってか、「戻ったらこんなことをしたい」という思いに溢れていたんです。でも、戻ってすぐに大きな仕事を任せてもらえなかったり、強い思いはあっても、実際には育児と両立するために仕事に全力投球できなかったり。いわゆるバリキャリワーママにありがちなことだと思うのですが、自分が描く理想のキャリアと現実の自分とのギャップというところには苦しみました。

―― 仕事が大好きで頑張ってきたママたち特有の“くすぶる感情”でしょうか。その時期をどうやって乗り越えましたか?

椿 それこそ、思い切り仕事ができない分、パワーママプロジェクトのようなボランティアの活動でエネルギーを発散させていたこともあったと思います。

 実は、今もまだ悩んでいる部分もありますよ。出産する前まではアクセルをガンガン踏んで、バリバリ働いてきたのに、出産したら急に自分でブレーキを踏まなくてはいけなくなるという葛藤。私と同じようにガンガンアクセルを踏んできた人は、今も順調に結果を出していて、私も本当はあそこにいるはずなのに、という理想と現実のギャップ。これをどう消化していくかというのは、私にとっても課題です。

 でも、その人と私は違う土俵にいるわけです。自分には自分の強みがあるし、私は今しかできないことをやろう、と考えることでモヤモヤした気持ちは処理して、仕事以外のことも自分なりに実現しています。