こんにちは。旅行ジャーナリストの村田和子です。2015年春、商業施設「二子玉川ライズS.C.」のオープン内見会で、目に留まったのがレストラン「100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA(二子玉川)」。ガラス張りの店内はおしゃれで、窓際にはかわいいソファが。実はここはファミリーレストラン。よく見るとソファも色や柄はおそろいですが大きさが違っていて、小さなソファは子ども用! オープンから二年を経た今も休日には行列ができるといいます。今回はそんな新しいスタイルのファミリーレストラン「100本のスプーン」の人気の裏側を、株式会社スマイルズのレストラン事業部事業部長、山崎竜馬さんに取材。立ち上げの経緯や昨今のトレンドをご紹介します。

「Soup Stock Tokyo」のおひとり様が家族になって戻ってくる

 100本のスプーンは、もともとはSoup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)が事業をスタート、現在、二子玉川店、あざみ野店の2店舗を展開しています。

 「Soup Stock Tokyoのメーンターゲットは20代~30代の女性でおひとりでのご利用が多かったのですが、オープンから15年以上経ち、結婚や出産などお客様のライフスタイルも変化。そこで家族連れでもおしゃれに楽しんでもらえるようにと100本のスプーンは誕生しました」(山崎さん)

洗練された内装は大人も大満足。「100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA」
洗練された内装は大人も大満足。「100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA」

 サービスを担う社員も半数以上が女性でママさん社員も多い中、「子ども連れで行ける魅力的なところが少ない。ならば自分たちで」という思いも強いといいます。

株式会社スマイルズ・レストラン事業部事業部長の山崎竜馬さん
株式会社スマイルズ・レストラン事業部事業部長の山崎竜馬さん

 二子玉川店の店内は、段差にはスロープがあり座席もゆったり。オープンに先立ち3歳から5歳の子どもがいる親御さんに、外食でのストレスを徹底的にヒアリングしたといいます。「高級レストランのような雰囲気は、通常の飲食店よりも坪当たりの席数を絞ったから。すべての席にベビーカーでアクセスできるようにスロープを配しました」と山崎さん。

 他にも、店内にはおむつ替えの台や、授乳室を備え、メニューの表紙は、待ち時間に子どもが退屈しないようにぬり絵になっています。またキッチンもガラス張りで、料理を作っているところが見学できます。キッチンをのぞくガラスの脇には懐かしい黒電話があり、厨房のシェフと話ができるといいます。「あったらいいな」が詰まった機能的で、それでいて遊び心のある空間は、思わず子どもも親も笑顔になります。でも人気店の理由は、これだけではありません。