――「中学受験のために朝小をとった」のではなく「朝小がきっかけで、中学受験を決めた」のですね。

大六野妻 うちも同じですね。朝小の「さかなクン」のコラムで海の生き物に興味を持ったことがきっかけで、海洋教室などに参加し、「海洋学の勉強をしたい」と言い始めました。で、そのためにはどうすればいいのか、と考えた結果、自分から「中学受験したい」と言い出したんですよ。

子どもの「好き」を見つけるための幅広い選択肢

大六野夫 子どもの「好き」って、どこにヒットするかわからないですよね。親に「やりなさい」と言われたことは、やっぱりやらないし、やっても伸びない。自分が好きなものを見つけてスイッチが入ればいいなと思っていました。「引っかかり」を与えてあげる素材として、朝小はとてもよかったですよね。

大六野妻 子どものときって、親にやらされるものか、自分の好きなものしか情報は手に入りにくい。これだけ幅広いジャンルの記事が毎日家に届くと、色々なものが見渡せて、選択の幅は広がります。子どもは様々な可能性を秘めていると思うのですが、それが何か親にもわからないから難しい。でも、ちゃんと素材をたくさん見せてあげれば、自分で好きなものを選びとる力はあるんだなと、思いました。
 自分から「中学受験したい」と言い出したのですが、塾に入ったのは6年生からと遅いスタートでした。ただ、朝小を読んでいたおかげで知識が身についていたのか、理科と社会の成績はよく、それが「理社はできる」という本人の自信となり「今からでも頑張れるかも」と受験にチャレンジすることができました。

合格者の4割前後が朝小を読んでいた

――中学受験の話が出ましたが、「朝小」は「中学受験に役立つ」という定評です。駒場東邦中学や雙葉中学、麻布中学などでは合格者の4割前後の人が朝小を読んでいたというデータもあります(2016年の聞き取り調査より)。今年、宮城県の公立中高一貫校に合格した読者が「面接で時事問題について聞かれたときに『天声こども語』が役立った」と語っていたり、超難関の灘校に合格した子が「国語が得意になったきっかけは、朝小の本の紹介コーナー」と語っていたりしています。麻布中に合格した子は「朝小を1日の“起点”にして生活リズムを確立した」と振り返ってもいて、まさに活用法は人それぞれです。みなさんはいかがでしたか。お子さんが私立中に合格した高橋さん、大六野さんはいかがでしょう。

高橋 うちは小3から塾に通っていました。四字熟語をまとめた記事などを私が切り取って壁に貼ることはありましたが、息子は「受験のため」というよりは、朝小が好きだから読んでいたみたいです。受験勉強の息抜きとして読んでいる感じでしたが、社会が得意だったのは朝小のおかげだと思います。小6の塾の正月講座のプリントは大学受験かと思うような難しい時事問題が出るのです。でも、息子はちゃんと回答出来て、私が「なんでこんな難しいこと知ってるの?」と聞くと、「朝小で読んだことあるから」と言っていました。単なる受験対策として一問一答で覚えたのではないのがよかったと思います。

大六野夫 うちも時事問題は朝小のおかげでできたと思います。「こういう時事問題が入試に出る」とまとめたものは塾からも配られます。でも、あくまでも試験対策という感じなので、それより朝小のほうがリアルでわかりやすくて、入り込みやすかったみたいですね。

――公立中高一貫校にお子さんが合格した山田さん、佐藤さんはいかがでしょうか。

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