山田 うちも模試や教材など、受験関連の情報を集めるのにフル活用しました。共働きでとにかく時間がないから、ネットの情報をやみくもに集めるより、「朝小フィルター」がかかった信頼できる記事や広告を読むほうが効率がよかったです。
大六野妻 朝小は「古新聞」になりにくいですよね。「そういえば、こういうことが載ってたなあ」と、後から引っ張り出して読むケースが親も子どもも多いので、3カ月ぐらいは捨てずに保管しています。
山田 うちも、2〜3カ月は置いていました。
新聞とラジオで「朝のダラダラ時間」がなくなった
大六野夫 「共働きだと時間がない」と山田さんがおっしゃってましたが、特に朝はドタバタじゃないですか。うちは低学年のときに、朝の生活習慣のリズムをつけるために、朝小を活用しました。朝小を読むために早起きさせる。時計代わりにテレビをつけていたこともあったのですが、テレビはダラダラ見てしまいがち。朝小とラジオに限定したら、ダラダラ時間がなくなりましたね。
山田 確かに、うちの息子も「新聞、特にマンガを読むのが楽しみで、朝早起きできる」と言ってました。
――朝小を読むようになって、お子さんに変化はありましたか?
佐藤 読むだけでなく、投稿もするようになりました。「よみとき天声人語」という企画に投稿して、よく掲載されていました。自分の意見が活字として掲載されると、やっぱり嬉しいみたいですね。
朝小がきっかけで記者や海洋学を目指し、中学受験へ
――佐藤さんの娘さんは、読者が記者を体験する「朝小リポーター」となり、宮城県石巻市で被災者の方のインタビューをされたと聞きました。
佐藤 「朝小リポーター」は、娘が自分から新聞で募集を見つけてきて「やりたい」と言い出しました。応募するには、当時は母親の作文を添える必要があったので、両親の介護で手一杯だった私は乗り気ではなかったのですが、娘が何かを「自分でやりたい」と言ったのは初めてだったんですね。それまで習い事やっても全然続かない子で。そこまでやりたいなら、と私も頑張って協力しました。
――朝小の本物の新聞記者の方と一緒に石巻市へ行き、取材をしたんですね。
佐藤 思わず泣いてしまうほど彼女にとっては大きな経験だったようで、それがきっかけで「記者になりたい」と言い始めました。記者になるにはどうしたらいいか、と真剣に考え、キャリア教育が充実している今の学校を受検したい、と目標を立てました。その中学の受検には志望動機をたくさん書かなければいけないのですが、「将来この仕事がしたいから、この中学に入りたい」と書けたのが合格の大きな決め手になったのではないかと私は勝手に思っています。