子どもが生まれるまでは、仕事に目いっぱい没頭できた。産休・育休中は、育児に専念することができた。それが……いざ仕事復帰をすると、仕事と育児の両方が日々降り掛かってくる。時間は同じ、一日24時間。どちらも大事、どちらも最優先。そんなとき、皆さんは何を選び、何を諦めているのでしょうか。

 バリバリでもゆるゆるでもない働き方のワーママに、リアルな体験、心の内を語ってもらいます。

 今回ご登場いただくのは、キャラクター事業を行う会社で企画職に就くA.Eさん。出産後に課長に昇進したものの、年上部下からの逆パワハラに遭って休職に追い込まれた経験を持つA.Eさんの休職までの軌跡をお伝えした前編に続き、後編では復帰後の心境や、夫との家事育児分担、働き方の現状と理想などについて語っていただきました。

(上)年上部下からのストレス はけ口が子どもに
(下)休職中に降格告げられ号泣 悔しさから復職を決意 ←今回はココ

【今回のワーママ】A.Eさん

年齢:45歳
業種(職種):キャラクター企画
住まい:東京都目黒区
子どもの年齢:6歳(男の子) 39歳で出産

●仕事と育児をしていくために、私が選んだもの、諦めたもの
選んだもの… 家族と過ごす時間
諦めたもの… 第一線で活躍すること

「このまま辞めたら、彼女の思うツボだ…」

 1年半休職をしている間、おかげで子どもと向き合うことができました。休職前は子どもにちゃんとした食事を作ってあげられないというストレスも抱えていたのですが、パンを手作りするなど、食生活に気を遣えるようになりました。

 実は夫も数カ月仕事を休んだ経験があるのです。その当時、「早く復帰しないの?」と私に急かされたのが嫌だったみたいで。夫は「自分は急かさないから、ゆっくりしてね」と言ってくれました。

 休職して1年経った頃、私が降格し、かわりに私の部下だった年上女性のAさんが課長に昇進する、というメールがペロっと送られてきました。当然だろうなという思いと、事前に一言の相談もなく、決定事項として連絡があった悔しさもあり、しばらくはずっと泣いていました。

 後から話をきいたところ、Aさんが部長に直談判をして、昇進を掛け合ったそうです。彼女が私の気持ちが分からないのと同じで、私も彼女の必死さが分からない。状況も見える世界も違うので、仕方ないのかな、と思います。

 このまま辞めたらAさんの思うツボだという悔しさもあって、とにかく復帰しようと決意。それから復職支援施設に半年間通いました。カウンセラーの方が2人ついてくれ話をしたり、人前で話す練習をしたり、ディスカッションをしたり。そこで同じようにメンタルの調子を崩した仲間たちと励まし合いました。私と同様に子どもがいる人もいたので、心強かったです。

 復職する部署については、人事のトップの方が手厚く相談に乗ってくれました。他にもメンタルを悪化させて辞めていった人がいるのが悔しくて、私にはそのまま辞めてほしくない、と言ってくれたのが励みになりました。さすがにAさんの下では働けないと思ったので、別の部署で一番優しそうな上司のところに希望を出し、復職しました。

写真はイメージです
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