自尊心の欠如から、100%頑張れない

 復職直後は、時短で働き始めました。以前の上司が良かれと思って、復帰第一弾として、会社にとって重要なプロジェクトである新キャラクター立ち上げの仕事を回してくれたのですが、それが私にとってはプレッシャーになりました。直属の上司が常に声をかけて気にしてくれたので、何とか最後まで仕事をやり切りましたが、自分が100%納得いく仕事はできませんでした。

 自尊心が欠如していると、ゼロから何かを生み出すことはできないんです。理想と現実の違いを痛感し、上司には、もっと精神的な負担が少ない仕事をやらせてほしいとお願いしました。上司は快く受け入れてくれ、仕事量なども配慮してくれるようになりました。

ママでも活躍している人を見るとみじめな気持ちに

 復帰して2年経ちますが、今もまだ以前のような仕事ができていないのが現状です。一度メンタルが悪化したことが尾を引いていて、何かきっかけがあると一気に仕事ができなくなってしまいます。そんな状況に加えて、先日、受けた健診で乳がんの疑いがあると言われ、その時担当していた仕事を「ごめんなさい」と他の人にお願いしました。自分でもダメダメ社員だと思います。

 「私がやるよりも他の人がやったほうが、いいものができるに決まっている」と思ってしまうこともあります。今の会社に転職してきた頃の自信はないですね。同世代のママで子どもも同じくらいなのに転職している人やバリバリ働いて役員クラスの人をSNSなどで見ると、うらやましいという気持ちと同時にみじめな気持ちになります。

写真はイメージです
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家事の分担の割合で夫とケンカ。感謝を口にするルール作りで改善

 休職を経て、子どもとの関係は修復することができました。でも、人間的に未熟なので、いわゆる懐の深いお母さんではないですね。子どもが泣いて本当にどうしようもないときは、自分も泣いちゃいます。すると、「なんでママが泣いているの」と、子どもが泣き止みます(笑)。

 夫はできることはやる、というタイプ。はじめは7対3で私が家事や育児を負担していたのですが、次第にできることも増えてきて、いまは6対4くらい。でも、夫は自分が6割か7割負担していると思っていて、それでケンカになることもしょっちゅうです。

 そこで、「いただきます」を言う時に、作ってくれた人に家族全員で「ありがとう」を言うルールを作りました。私が作ったのであれば、「おかあさん、ありがとう。いただきます」。夫婦で作ったのであれば「おとうさん、おかあさん、ありがとう。いただきます」と言うんです。お互いに「ありがとう」を言葉にすることで、少しはケンカの頻度も減ってきたように思います。