仕事が面白くなってきたタイミングでの妊娠に戸惑う
どんどん取引先を増やしながら、徐々に仕事が回るようになっていくのもうれしかったし、自分で思い描いたフリーランスとしての仕事や生活を実現させていくことに充実感も感じていました。
そんななか、一緒に暮らしていた彼と結婚し、フリーライターとしての生活も1年半が過ぎてちょうど仕事が面白くなってきたのとほぼ同じタイミングで、妊娠が分かりました。
正直、戸惑いました。
私は一人で仕事を受けていたので、お腹が大きくなって動けなくなる前に仕事を手放さないといけませんでした。せっかく手にした仕事なのに、ここで手放したら次にまた来る保証はないと思うと、断腸の思いで仕事先に連絡を入れました。当事は、何年かたってある程度子どもが手離れする頃になったら、またゼロからスタートするしかないと諦めの境地でしたね。
つわりもあり、比較的早い時期に仕事を手放したので、妊娠期間中は、ほぼ仕事はありませんでした。でも誕生してくる赤ちゃんをウキウキと待ちわびるといった、幸せなマタニティ期ではありませんでした。
仕事への未練を抱えるなか、健診などで周囲の妊婦さんが「早く会いたいから、生まれてきてね」とお腹に話しかけているのを見ては、そんな気持ちになれない自分に不安を感じていました。(下編に続く)
本文を一部修正しました。(2019.6.21)
取材・文 須賀華子(日経DUAL編集部)