悪性の疑いも手術で
―― 体験を紹介した結節性甲状腺腫についてはどうでしょうか。
「これも原因は分かっていません。良性の結節と悪性の腫瘍があります。甲状腺ホルモンは異常がないことが多く、自覚症状もありません。腫瘍が大きくなると気管や食道を圧迫します。のどの違和感があったり、飲み込みが悪くなったりすると、良性でも手術が必要です」
「腫瘍がどんなものかは、超音波と細胞診で判断します。超音波で甲状腺内の腫瘍の大きさや形、性質やリンパへの転移が分かることが多いです。そして、腫瘍内に針を刺して細胞を取り、悪性かどうか検査します。腫瘍が小さくても、悪性の疑いがあったり、腫瘍から甲状腺ホルモンが過剰に作られたりする場合は手術します」
「甲状腺がんは発育がゆっくりで、取ってしまえば命を落とす可能性は少ないです。手術の傷は10日ぐらいでよくなります。首の付け根を切って取り出しますが、ネックレスのラインで気になりません。傷口が小さい内視鏡での手術もあります」