ママ業は18歳まで。「娘たちはマイ・スーパーヒーロー」

 友子さんは、「ママ業は18歳まで」と思っています。長女は医学部に進み、家を出ました。次女は高校生なので、出張先から最終の新幹線で名古屋へ帰り、試験前の夜食を用意。翌日、朝ごはんとお弁当を作って、出張先に戻った日もあります。前々から決まっている、年に何度かの用事以外は、ほとんど泊まりの仕事はしていません。

 「後輩ママには、子離れを一刻も早く考えたほうがいいよと言います。野生動物を見習って、『一人で生きていくんじゃ』って背中を押す。そうやって一人前にするのが母親の務めです。仕事は一生、続けたい。次女が18歳になったら、寂しいけれど出張を増やせます。私の両親の介護も入ってくるでしょう」と友子さん。

 介助犬は、1万5千人が必要としていますが、認定を受けた介助犬は約70頭。障害ある人の、体と心のパートナーをさらに育てていく目標があります。

 「子どもがいなかったら、介助犬の仕事をしている私は、『正義だから言うことを聞いてもらって当然』という態度になっていたと思います。子育てで、にっちもさっちもいかない経験をして、自分が育てられました。娘たちは、私の想像を超えた素敵な人に育っています。マイ・スーパーヒーローですよ」