涙ながらに育児相談した時期も

 最前線に足を運ぶ仕事ができて、職場にも家族にも感謝しているという小林さん。「貴重な機会をいただいて、サポートしてもらっているからなおさら仕事を大切にしなくちゃと思います。息子と離れることでリスクは負っていますし、緊張感はありますが、現地を実際に知ることができて、日本では会えない人に出会えるのが楽しい。信号機がほとんどないスーダンで、1人でスーツケースを持って道路が渡れず、もたもたしていたら一緒に渡ってくれる人もいました」

 どっしり構えているように見えて、子育ての悩みも経験しています。「あまり寝ない子だったので、2歳半ぐらいまでは寝るまで抱っこ、起きてまた抱っこ。イヤイヤ期もありました。ずっと家の鍵で遊んでいて、渡してくれないので家に入れないときがあり、まだ言葉も出ないころなのに怒鳴りつけてしまいました」

 小林さんは「育児に自信がなくなり、何度か涙ながらに相談窓口に電話したこともあります。今でも、職場の先輩ママによく相談します。話した後は、何をあんなに悩んでいたのかと思うのですが、子どものことになると冷静ではいられないですね」と語っていました。

 これからも、海外の現場に積極的に行きたいそうです。「支援の仕事をしていると、いつも本当に自分の仕事が現地の人たちの役に立っているのかなと自問自答します。小さなことからこつこつとやっていきたいです」

スーダン南コルドファン州の活動地の集落を歩く(2018年2月)
スーダン南コルドファン州の活動地の集落を歩く(2018年2月)

(取材・文/なかのかおり)