共働き夫婦はお互いの仕事の話をしたほうがいい

── 共働き夫婦で、お互いに仕事の話をしない夫婦も多いような気がしますが…

 それは、僕からするともったいない話です。妻と仕事の話をしていると、けっこう役立つようないいことを言ってくれます。かつて、歴史小説家の司馬遼太郎さんは、最初に原稿を奥さんに読んでもらっていたそうです。「こんなの分かんないよ」って言われると、書き直していたという話を聞いたことがあります。

 もっと夫婦でお互いの仕事の話をすると役立つことのほうが多いですし、仕事の話は子どもの前でもどんどんするべきだと僕は思っています。けっこう、子どもって、小学校2年生くらいになってくると親の話を聞いているし、理解しているんですよね。自分の子どもも同じ家族ですから、エエ格好しようとする必要はありません。「今、ちょっと部下のことで悩んでてさあ」などと相談すると、妻がいいヒントをくれたりするんですよ。

 会社や仕事の悩みというのは、家庭のなかにヒントがあったりしますから。これは一種の快感ですね。夫婦間のコミュニケーションによる快感です。それを聞いている子どもは、大人になったらこんなこともあるんだと、何となく感じることも多いですしね。

 特に共働きだと、パパもママも忙しいから、なかなか夫婦での会話をジックリということは難しいかもしれません。でも、子どもを寝かしつけた後に少しお酒でも飲みながら、お互いの仕事の話をするというのはオススメです。いきなり、「子どもの塾の件だけどさ」と、わが子の教育の話ばかりになってはダメです。

 子どもの側からしても、自分のことばかり親に話をされているとプレッシャーになって良くないですよね。特に中学生くらいになってくると、「もう、自分のことは放っておいてくれ!」と思うようになることも多いですから。「困ったヤツだなあ」なんて、自分だって困ったヤツだったハズなのに、自分のことを棚に上げて言うのは良くないですよね(笑)。

 子育て期の夫婦は、どうしても子どもの話が中心になりがちですが、たまには業務連絡くらいにとどめておいて、子どもが成長して家から出ていった後に自分たち夫婦はどうするのかといったことを話してみるのもいいと思います。「ママ、何かやりたいことあるの?」とか。そういう会話を僕は妻とよくしていました。

仕事の話で注意すべきこと

── 夫婦で仕事の話をするときに気を付けることはありますか?

 逆に、僕が妻の仕事の話をよく聞くこともありますが、あまり余計なことは言わないように心がけています。ジックリと話を聞いて、アドバイスを求められたときだけ話すようにします。「その話だったら、こういったことでうまくいった人がいるよ」とか。上から目線で「こうしろ」って言うのは絶対にNG! そんなことを言うと、「アンタに指示されたくない。知らないくせに!」ってなりますからね(笑)。

 ですから、夫婦間で仕事の話をするときに大事なのは、「私は喋りたいだけなのよ!(怒)」モードなのか、本当にちょっと困っていて「アドバイスを求めているのよ」モードなのか、それを見極めることだと思います。それは、女性に限らないと思いますけど、誰でも愚痴をちょっと聞いてほしいだけなのに、上から目線でアドバイスされるとカチンときてしまうじゃないですか。結論から先に言って、「なぜなら……」と、長々とアドバイスするのも地雷を踏む確率が高くなるので、気を付けたほうがいいですよね。