仕事と家庭の両立など、さまざまな壁を乗り越えてきたママ社長やママ起業家をご紹介してきた不定期連載「私が壁を乗り越えたとき」をリニューアル。令和の時代を、時に迷いながらも前に突き進む起業ママや副業ママたちの挑戦をご紹介していきます。後編の今回は、「親子deワーケーション」を企画・運営する事業を立ち上げたソトエ代表の児玉真悠子さん(41)に、起業後の変化や、直面した困難について語ってもらいました。

コロナ下でさまざまな企画が保留になるも、めげずに5カ年計画策定へ

 児玉さんは2021年2月にソトエを創業後、これまでに、新潟県湯沢町と糸魚川市の2つの地域で親子ワーケーションを企画・運営してきました。湯沢町は、スキーシーズン以外のグリーンシーズン(春から秋)の集客面で課題を抱えていたため、2021年のグリーンシーズン(夏)に、民間企業との協業で親子ワーケーションを実施。糸魚川市の案件も2021年の夏に実施しました。

 地方へのツアーを企画するというビジネスモデルであるが故、新型コロナウイルス下で厳しい状況が続いているものの、児玉さんはネガティブに捉えず、自分が今できることに取り組んでいるといいます。

 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、実施しようとしていたさまざまな案件が延期にもなり、見積もった収入の計画も崩れてしまいました。中止ではなく、延期なので、その先に別の仕事を入れることができないんです。

 そこで、空いてしまった時間を活用して、今後の事業発展の礎を築くために計画を練ることに注力してきました。これまでは、目先の一つひとつに一喜一憂し、『私は何で起業したの?』『今私は何をやってるんだろう?』といった焦りや不安もありました。でも、そのうちに、焦りや不安を感じるのは、自分が目先のことしか考えられていないからだと気づいたんです。ビジネスを成功させるためには、中長期的な視点が大事だなと。

 そこで、5カ年計画を作りました。中長期的な視野で目標を描くことで、案件が流れてしまっても、『一つ流れたくらいで、中長期の計画は崩れない』と、早く気持ちを切り替えられるようになりました。今年のゴールデンウイークに開催するはずだった案件が流れたときはかなり落ち込んで、気持ちを前に持っていくのに数日かかりましたが、今はレジリエンス(回復力)が付いたと思います(笑)」