広告代理店に就職。妊娠をきっかけに退職して専業主婦に

 就職は、広告代理店。アルバイトをしていた流れでそのまま社長室の秘書になりました。

 「秘書で覚えたのは、空気を読むこと(笑)。社長がいるうちは帰ってはいけないけれど、席を外したほうがいいときはそっと帰る、など学びました」

 22歳で結婚、経理部に異動しました。

 「簿記検定を取得したので、帳簿が読めるようになりました。あのとき勉強しなかったら、社長になるなんて思い付かなかったかもしれません」

 その後、妊娠中に地下鉄サリン事件が発生。それがきっかけで、退職しました。

 「直接被害に遭ったわけではないけれど、地下鉄に乗ると気持ち悪くなってしまって。そのような理由で会社を辞めてしまったので、社会に対しての未練はありました。活躍している女性の上司もいたので、もっと働きたかったと思いました

2人の男の子を育てる専業主婦に。幼稚園ママと保育園ママの違い

 24歳で第一子、31歳で第二子を出産。専業主婦として2人の男の子を育てる日々が続きます。

 「専業主婦は、それなりに面白かったです。狭い世界で子どもを比較し合い、人がイラッとするポイントが分かりました。幼稚園のお付き合いも大変でしたね。ボスに逆らってはいけない、という雰囲気で。会社勤めをしていた経験があったので、この人に給料をもらっているわけではないのに何で逆らってはいけないの!?と心の中で思っていました(笑)

 「下の子は3歳で保育園に入れたので、保育園ママと幼稚園ママの違いには驚きました。幼稚園ママだと、そんなたいした決め事ではないのに3時間かかったりします。でも、保育園ママだとメールで終わる。保育園ママはサバサバしている方が多かったですね」

 一方、専業主婦を経験したことが、今の採用にも生かされているそう。

 「専業主婦の人は社会人としてものすごく使えるスキルを持っています。節約や掃除など、細かいところに気づき、言われなくてもやってくれるのはさすがですね。主婦は家にあるものを全部管理しているので、収納スキルも長けています。今の会社では似たような在庫を管理しなければならないので、積極的に専業主婦を採用しています」