起業するまでの経緯や仕事と家庭の両立などについて、多くの壁を乗り越えてきたママ社長やママ起業家をご紹介する「私が壁を乗り越えたとき」。第21回は、10歳の男の子と8歳の女の子のママで、企業向けにコンシェルジュサービスを提供するTPO代表取締役のマニヤン麻里子さんをご紹介。起業までのキャリアの軌跡や、社会を変革したいという思いなどについてお伝えした上編に続き、下編では、夫との育児家事の分担やユニークな子育て方針など、共働きママとしての素顔にも迫ります。

現場に立ってニーズを確信。自信が事業の成長につながった

 2016年7月、勤めていた外資系金融会社を辞めた直後に法人を設立したマニヤン麻里子さん。フランスでは普及が進んでいた、働く人のプライベートをサポートするコンシェルジュサービスを日本にも根付かせたいという大まかなプランは持っていたものの、当初はto B(企業向け)にするか、それともto C(個人向け)かで迷っていたといいます。

 「そのため、金融業界時代の先輩たちの中で、信頼できて知見のある方々に積極的に会いに行き、話を聞いてもらった上でさまざまなご意見やアドバイスをいただきました。そして『to B』でいくと決めてからは、すぐに法人営業を開始。どこに行くのも自転車移動で、文字通り、髪を振り乱しながら、サービス立ち上げに奔走しました」

TPO代表取締役のマニヤン麻里子さん
TPO代表取締役のマニヤン麻里子さん

 当時、社員はマニヤンさんだけでしたが、夫ともう一人のメンバーが別の仕事を持ちながらも、マニヤンさんをサポートしてくれたそうです。のちに社員としてTPOに加わり、中心メンバーとなる二人です。「何もないところから事業の可能性や私の思いに共感してくれて、一緒に歩んでいきたいと言ってくれた二人には心から感謝しています」

 サービスの立ち上げ資金は、東京都や金融機関の創業支援制度を複数活用することで調達しました。営業をかけたある企業から『お試しでやってみたい』と声がかかり、その「テスト」に無事合格。初の契約にこぎ着けることができたといいます。

 このテスト期間中、自身もコンシェルジュスタッフとして現場に立ち、直接、働く方々の相談に乗ったことで、「ニーズは十分にあるし、役にも立っている」という確信が持てたといいます。手応えと自信を得たマニヤンさんは、さらに営業に力を入れ、着実に顧客を増やしていきました。3年後の今、サービスを提供している会社は13社。メンバーも30人を超えるまでになりました。

次ページから読める内容

  • 「ワーク・ライフ・バランス」という「バランス」はない!
  • 10歳息子が講演の予行演習で母にアドバイス
  • 人の優しい気持ちのお手伝いができるのがうれしい
  • 帰国子女でも一方の親が外国人でも働きやすい多様性のある社会に

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