起業するまでの経緯や仕事と家庭の両立についてなど、多くの壁を乗り越えてきたママ社長やママ起業家をご紹介する「私が壁を乗り越えたとき」。今回登場いただくのは、小学1年生の女の子と5歳の男の子の2児のママで、おしゃれでヘルシーな和食のケータリングとして人気の「KIRARA」など、2店舗の飲食店を経営する小林朝日里(こばやし・あかり)さん(42)です。

小林さんが、経営者の道を歩み始めたのは、まだ独身だった20代後半。映画会社の宣伝部で仕事にまい進していた小林さんが、飲食の世界で再スタートを切ることになった理由とは?

希望の映画業界で働く喜びを感じていた20代

 東洋英和女学院大学の社会学科を卒業し、就職先として選んだのは映画業界。「小さな頃から映画やアメリカのテレビドラマが好きだったから、エンタメ業界に関わりたいと思っていたんです」と、株式会社雲母代表取締役の小林朝日里さんは話します。

 「最初はキー局に映画の権利を売る営業をやっていました。その仕事を2年くらい続けたあと、20世紀フォックスという映画会社に出向になり、そこでは宣伝部に所属していました」と、飲食店のオーナーとしては珍しい経歴を持つ小林さん。当時は、大好きな映画に囲まれて、忙しくも楽しく働いていたといいます。

 しかし、映画業界で5年半働き続けた27歳のとき、父にがんが発覚。57歳という若さもあり、発覚から時を移さず他界してしまいました。

 「30歳を目前にすると、身の振り方に迷いませんか? 特に女性はそうですよね。例に漏れず私もそうでした。このまま映画業界にいていいのかな、結婚や出産はどうするんだろうと、頭の中でいろんな選択肢を考えていたんです」

 そんなときに訪れた父の死。死の直前、病室で「店をやってみる気はないか」と言った父の言葉が転機となりました。

次ページから読める内容

  • 顧客を大事にしたいからこそ娘の私が引き継いだ
  • 28歳の誕生日当日に引き継ぎなしで店主デビュー
  • 受け継いだ店舗を守りつつ新事業に着手

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