離婚を機に夫婦離婚カウンセラーの資格を取得

 「息子が小学校4年生、私が40歳のとき、離婚しました。夫婦のすれ違いなどが原因で、調停もして半年かけて離婚が成立しました」と、話すしばはしさん。辛い経験でしたが、その辛い思いをしたからこそ自分のやるべきことが見つかったといいます。

 「この辛い経験を無駄にしたくないと、夫婦問題を扱うカウンセラーの資格を取ろうと思い立ったんです」

 そう思い立って3日後には、夫婦離婚カウンセラーの養成講座に申し込み、仕事をしながら勉強を開始。「半年間、土日は講座に通って、平日はランチタイムを活用して勉強をしました。当時は息子も小学校5年生になっていたので、そこまで手がかからず、勉強に集中できました」

 授業料は高額でしたが、先行投資だと考え、思い切ったといいます。そして資格取得後、会社員と夫婦離婚カウンセラーの二足のわらじ生活を始めます。 「最初は知り合いや紹介の相談を受けていきました。会社員も続けていたので、少しずつ始めた感じです」

「面会交流」相談に特化

 しばらくすると、『面会交流をしたいのにさせてもらえない』という相談がきました。面会交流とは、離婚後や夫婦の別居中に子どもを養育・監護していない方の親が、子どもと会って交流することです。しかし、しばはしさん自身、離婚後「どうしても夫に息子を会わせたくない」という時期が続いていたこともあり、その相談にうまく答えられなかったといいます。

 「自分が乗り越えられてなかったことだったので、面会交流についても勉強を始めることにしました」。これがまた大きな転機となります。

 ちょうどその頃、しばはしさんは「子どもに会えない親の団体」の存在を知り、勉強のため、そこに通うようになります。月1回行われていたその会は、とにかく空気が重く、妻や司法への憤りに満ちあふれていたのだそう。