起業するまでの経緯や仕事と家庭の両立についてなど、多くの壁を乗り越えてきたママ起業家や社長にインタビューする「私が壁を乗り越えたとき」。第13 回は、一時預かり専門の託児施設を開業したアップストリーム・エデュケーション株式会社の鈴木万久美さんを紹介します。

 鈴木さんは、国内証券会社を経て外資系投資銀行などで活躍後、妊娠を機に退職。長女を出産後、2015年に子どもを対象にしたマネー教育を行う会社を起業。自ら講師として出向く際に、近所にある一時預かりの施設に登録したものの空きがない状況から必要性を感じ、2017年に一時預かり専門の託児施設を開業。現在は、幼稚園に通う長女の子育てをしながら、社長業を両立しています。

 この連載は「上編」「下編」の2本立てでお伝えします。

看護学科に入学したものの、休学して他大学を受験

 兵庫県淡路島出身の鈴木さん。小学校中学年のとき剣道を始めて以来、中学・高校と運動ばかりしていたといいます。

 「小学生で剣道とバレーボール、中学は陸上部、高校は剣道部とハードな運動部にずっと所属していました。平日も休日もずっと練習。かつ、淡路島出身ということもあり、中学・高校が家から遠くて。部活と勉強をする以外、自由な時間はほとんどありませんでした。高校卒業後の進路を考えたときに、理系クラスにいたことと、たまたま身近な人の死という出来事も重なり、看護学科を志望しました」

 無事に看護学科に合格。けれど、いざ入学してみると、本当にこれで良かったのか、悩むようになったそう。

 「周りは『白衣の天使になりたい』という子が多くギャップを感じました。自分は人のために、自分の人生を捧げられるのだろうか、と考えてしまったんです。ゴールデンウィーク明けに父親に相談したら、『好きにしたらいい』と言ってくれて。1年浪人をして自分が行きたい大学に受からなかったら看護学科に戻ると約束をして、大阪にある予備校の寮に入って浪人生活を送りました」

 小さい頃から、本や表現をすることが好きだったこともあり、文学部を受験。東京の大学に合格し、上京しました。

 「大学時代は好きなことをやってみる時間と決めて、絵や映画の文化系のサークルに所属。面白そうなものは何でも挑戦しました。一度大学を入り直した経緯もあって、自分の興味は何だろうか、本当に自分がしたいこと、心の底から面白いと思えることは何だろうか、ということを考え続けた学生時代でした

鈴木 万久美
アップストリーム・エデュケーション株式会社 代表取締役
淡路島出身。大学卒業後、国内証券会社を経て外資系投資銀行の株式部門に勤務。国内の個人・法人を対象とした株式ビジネスの営業支援業務に従事するなど、証券ビジネスに5年近く携わる。その後、外資系金融情報会社にて国内外の金融機関や学校・研究機関の顧客に対し、金融関連情報の提供業務に従事。出産を機に退職し、現在は一児の母。趣味は絵画、和菓子制作。AFP認定者。

次ページから読める内容

  • 国内証券会社に入社。もっと働きたいと思い、外資系投資銀行に転職
  • 自分のそばで子どもを育ててみたいと思い、妊娠を機に退職
  • 32歳で出産。子育てを通して、人生において大切なことを思い出す
  • わが子に世の中を見る目を身に付けてほしいと思い、起業

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