男性の育休取得は第二子出産時がオススメ

── 実際に1年間、育休を取得してみて、伝えたいことはありますか?

よしもと 正直な話、第一子のときに無理して取得する必要はないのかな、と思いました。第一子が生まれたときはとにかく楽しいので、もっとわが子と関わりたいと思うパパも多いとは思います。ただ、第一子誕生の時期というのは、多くの家庭が世帯収入の面で厳しいこともある。そんななかで、無理をして父親が育休を取得する必要はないと思います。

育休最終日、長男は「これからボクも頑張るよ! 妹のお世話もするし、ママのお手伝いだって、ちゃんとできるよ!」と言ってくれた
育休最終日、長男は「これからボクも頑張るよ! 妹のお世話もするし、ママのお手伝いだって、ちゃんとできるよ!」と言ってくれた

 僕の経験からすると、共働き夫婦の場合、第一子出産時は、夫ができることをやっていれば、妻の育休取得だけでも何とかなります。問題なのは、第二子出産時。母親が生まれたばかりの子どもも上の子どもも見ないといけないというのは、やはり大変です。そのタイミングで父親が育休を取得することで一緒に育児ができる世の中になっていけばいいと思います。

 僕のように1年間の育休取得というのは難しいかもしれませんが、せめて3カ月とか半年。その期間に上の子どもをしっかり父親がケアしてあげて、妻もケアしてあげる。それによって、ママが落ち着いた状態で下の子どもの面倒を見てあげる環境が整えば、少子化問題も少しは解消されるでしょう。

 自分が担当していた生徒たちを見ていても、2~3人の兄弟がいるという家庭は多いんですね。子だくさん夫婦であれば、さぞかし夫婦仲は良いだろうと思いきや、お母さんも負担が増えてしまって、結局、離婚するといったケースが増えています。そういう実態を見てきているだけに、女性の社会進出をこれから進めていくのであれば、同じくらい男性の育児進出も進めていかないといけないと思います。

 その上で、2人目まで安心して育てられる社会になれば、3人目を考える夫婦がもっと増えていくようになるのではないかと思います。

男性が家事・育児するうえでのポイントとは!?

── 育休を取得しようと考えるパパに、家事・育児におけるアドバイスなどありますか?

よしもと 何をするにしても、まずは妻の希望を聞いてからやるようにしたほうがいいと思います。最初はどうしても自分のやりたいようにやってしまいがちです。でも、それは仕事と一緒で、次の人のことを考えたほうがいい。自分中心で何でもやって、育休が終了した後にガラっと変わってしまうようでは、システムとしてあまり良くないですから。自分の育休が終わった後でも子育て・家事のシステムがスムーズに回っていくようにしたほうがいいと思います。

 期間限定ではあるけれど、それが終わった後も分担を続けられるようにすることを意識して、妻と話し合って考えながらやるということですよね。自分が楽しかったらいいというものではなく、育休終了後もそれなりに進んでいくのが、いいシステムですから。

── 妻から求められていることを見極めることも大事ということでしょうか?

よしもと そうですね。最近はワンオペ育児などが問題視されていますが、まずは妻のニーズをしっかりと聞いてあげることが大事ですよね。今回、育休を取得してみて、本当に妻がやってほしいと思っていたのは家事・育児じゃないというのもひとつの発見でした。

 というのは、妻が本当に欲しいのは、「自分の時間」だったんですね。子どもが生まれる前まで当たり前に過ごしていた時間ですとか、夫である僕との時間だった。当然、僕が家事や育児もやることで、妻に自由な時間をたくさん提供する。子どもが幼稚園に行った後とか、寝静まった後は、夫婦の時間もしっかり作る。それで、うまく回っていったというのがありますね。

── 家事や育児が苦手なパパも多いと思いますが、完璧でなくてもいいから、妻に時間を作ってあげることが一番、大切ということですか?

よしもと そう考えておいたほうが、家事や育児が苦手なパパでもハードルが低くなっていいのではないでしょうか。例えば、妻の愚痴を聞いてあげるだけでもいいと思います。そのための時間を作ることをメーンに考える感じでもいいでしょう。それによって、自分は何をすべきかが見えてくることも多いと思います。

 それともうひとつ大事なのは、上の子どものケアですよね。第一子で育休取得する人は妻との時間をたくさん作ればいいのですが、2人目のときはママが上の子を見るのは大変です。たぶん、3人目の出産となると、一番上の子は4歳とか5歳くらいになっていて、手伝ってくれることも増えるでしょう。経験してみて、2人目のときが一番、大変なんだと実感したので、とにかく上の子どものケアはパパのほうが頑張ったほうがいいと思います。