お金では買えない1年になると決心

── 男女で予想と逆の反応があったというのは、時代が変わってきたということかもしれないですね。ちなみに、奥さんの反応はどうだったのでしょうか?

よしもと 最初に打ち明けたときは驚いていましたね。本当に1年も休んで大丈夫なのか、と(笑)。でも、長男のチック症状のこともありましたし、「夫婦の時間もつくりたい」という話をしたら、理解してくれて、「じゃあ、やってみたらいいんじゃないの?」と言ってくれました。ただ、妻としては、僕がメーンで働いてきたのに、1年も休むということで収入面での心配があったと思います。

 ただ、いろいろ育児休業給付金のことについて調べてみたりして、貯金を崩しながら何とかやっていけるのではないか、と。確かに、僕自身もお金の面で心配はありました。でも、お金では買えないような1年間になるのではないかと思って、踏み切ることにしました。

 実は、その後、さらに決意を固める出来事があったんですよ。長男は、父親である僕が1年間の育休を取得すると言っても理解できていなかったのですが、長女の出産予定日の数週間前に、妻が切迫流産の危険性があるということで入院することになったんですね。育休は4月からの予定だったのですが、出産までの数週間、父子で2人きり。毎朝、僕が長男の弁当を作って保育園まで送っていってから仕事をする。その後、長男をお迎えに行って、一緒に妻のお見舞いに行くという生活が2週間くらい続いたんです。

 それが育休のいい予行練習になったのですが、長男が「ママがいなくて寂しい」と言いつつも、拙い言葉でママのことを心配しつつも「生まれてくる赤ちゃんが楽しみだね」といったようなことをいろいろ話してくれるようになりました。その様子を見ていて、育休の1年間が楽しみになりましたし、取得する決心をして良かったなあ、と改めて思いました。

バスケットボール部の指導にも力を入れている
バスケットボール部の指導にも力を入れている

(取材・文/國尾一樹)