わが子の成長の変化を見ることを大事にしたい

── プライベートのお話もお伺いしたいと思います。長男の誕生を機に、働き方を変えていったとお伺いしましたが、具体的にはどのようなことをしていますか?

永井 現在は独立して、自分の会社ですから、仕事のスケジュールをコントロールしやすくなりました。時間がつくれるときは、習い事の送り迎えなどもしています。例えば、木曜日の午前中に習い事があるのですが、僕が送迎をしています。午前中で終わるので、その後に鎌倉の自宅から都内に出てきて仕事をします。この日のこの時間帯は子どもと過ごすと決めたら、その時間はブロックして、仕事を入れないようにしています。週末だけでなく、平日でも午前中は子どもと過ごす時間と決めたら、子どもが保育園に行くまでの時間を一緒に遊んだり、お風呂に朝から入ったりしています。

── 子どもと接する時間をしっかり確保するというのは、どういった理由からですか?

永井 幼ければ幼いほど、わが子というのは毎日、変化があるじゃないですか。昨日は知らなかったのに、今日はこの言葉を知っているとか。いつの間にか歩けるようになったとか。いつの間にか離乳食が終わって、ちゃんとご飯を食べられるようになったとか。そういう、毎日の変化って見逃してしまうことがパパの場合は多いと思いますが、僕はそれを見たかった。小さい子どもというのは、毎日、毎日、違いますからね。

 会社員で朝早くに出勤し、夜遅くに帰宅するといった生活のままだったら、わが子の毎日の変化はほとんど見ることができなかったと思います。帰宅しても既にわが子は寝ているので、妻から話を聞くしかありません。そうではなく、自分でわが子の日々の成長を見て、それが分かるということを僕は大事にしたかった。

 そういう考えもあって、仕事のスケジューリングは工夫するようにしました。これまでは、求められればどこにでも出向いて打ち合わせをしていましたが、最近は家族との時間確保を最優先にして、クライアントと相談させていただいたうえで、スケジュール調整するようにしました。

 例えば、今月は火曜日と木曜日は自宅にいるようにすると決めたら、家から出ません。仕事はコワーキングスペースを利用して、たまった分を一気にこなすということもあります。また、次の週の土日は妻がヨガ教室を開催するということになれば、その日のスケジュール調整をして、僕が子どもたちを連れて外出して遊んだり。そのぶん、妻の時間が確保できるのでいいですよね。

家族は一つのプロジェクト

── 家事分担などは、どのようにしていますか?

永井 特に家事分担は決めていません。家族というのは、一つのプロジェクトなんですよね。僕はプロジェクトのなかでパパという役割を担っているだけ。明確な家族のビジョンがあれば、それが家族の目的なので実現するためなら、どんな家事でもそこに「やらされている」感はありません。家族のプロジェクトを実現させたいから、そこに関わっているといった感覚です。

 先ほどお話ししたように、僕たち家族のビジョンとしてあるのは、「自分たちがキラキラと輝くことで、それに関わる人もキラキラ輝かせたい」というものです。そんなプロジェクトを実現させるために必要であれば、今食器洗いをしたほうがいいよねとなるし、子どもを寝かしつけたほうがいいよねと思ったら自発的にやる。だから、わが家は家事分担の意識がないのかもしれないですね(笑)。

 晩ごはんも多いときで週2回くらい作ります。子どもに評判がいいのは焼きそばですかね? 誰でも作れるものですが(笑)。あと、子どもは2人とも味噌汁が好きなので、大根やネギ、人参、など野菜ゴロゴロ味噌汁をよく作ります。子どもは魚が好きなので、魚メーンの料理を作ることが多いですね。

── お子さんとの遊びはどのような感じですか?

永井 長男は今、プラレールが大好きなので、それで遊ぶことが多いですね。外に出かけるときは、近所の公園まで行って、ストライダーで遊びます。海が近いので、海で遊ぶこともよくあります。

 普通に遊具がいっぱいある公園に行くとか、ショッピングモールに連れていくとか、アウトドア体験をするためにどこかに行くといったこともしますが、子どもたちが行きたいところより、自分たち親が行きたいところ、楽しめるところに子どもたちを連れていくということが多くなりました。親がつまらなそうなら、子どももつまらない。親が楽しんでいれば、子どもも楽しい。それが一番、大事なことだと最近思っています。