4歳と7歳を子育て中のデュアラーママでアナウンサー、子育て中の家族の心に寄り添うメディア&プロジェクト「ホリプロ保育園」えんちょーを務める安田美香さん。「ホリプロ保育園」で取材した人やニュースをあれこれ深掘りしていくインタビューをお届けしています。今回のゲストは、4児のパパ・山口哲人さん。第4子の三男は口唇裂(こうしんれつ)という病気を持って生まれました。その出産から現在の子育てまで、お話を伺いました。

 「ホリプロ保育園」えんちょー安田美香です! 「ホリプロ保育園」とは、本当の保育園ではありません。子育て家族の心に寄り添うメディアであり、プロジェクトです。SNSで子育て情報を発信したり、リアルなイベントを開催したりしています。

 今回のゲストは、37歳で4児のパパ・山口哲人さん。東京新聞(中日新聞東京本社)で政治部記者として働きながら、11歳女の子、8歳男の子、6歳男の子、そして現在0歳7カ月の男の子を育てています。

 4人目のお子さんは「口唇口蓋裂の可能性がある」と告げられて生まれました。山口さんによると、口唇口蓋裂とは約500人に1人の割合で生まれる先天性の病気で、唇や口の中の上部が裂けているため、授乳や摂食の障害、発音障害などが起こりやすくなるそうです。基本的には生後数カ月で手術をし、その後の成長によって、また人によっても必要な手術の回数は変わる、とのこと。詳しくお話を伺いました。

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中絶も考えた、「口唇口蓋裂」の知らせ

安田 4人目のお子さんはお腹にいるときに、口唇口蓋裂の可能性があると分かったそうですね?

山口哲人さん(以下、敬称略) 仕事の移動中に、妻からLINEで「お腹の中の赤ちゃんに口唇口蓋裂の可能性がある」と告げられました。口唇口蓋裂という病気があることをそれまで知らなかったのですが、調べていくうちに、頭の中が真っ白になりました。ただただ「どうしよう」とおろおろしていました。

安田 様々な葛藤があったことと思います。山口さんご自身は、中絶も視野に入れたそうですね。

山口 幸いなことに、わが家は3人の子どもに恵まれていましたし、とても悩みました。4人目の子どもが病気を持って生まれてくれば、妻も私もその子にかかりっきりになり、上の子3人への愛情が薄れてしまうのではないかという心配もありました。経済的な面の不安もありました。

安田 奥様は専業主婦でいらっしゃるんですよね。口唇口蓋裂の治療費は、かなりかかるのでしょうか?

山口 自治体の制度で子どもの医療費が無料になったり、様々な保険制度が適用されたりしたので、手術費も含め、ここまでは持ち出しで支払うことはありませんでした。ただ最初は保険でカバーされるものなのかどうかも分からず、「ただでさえ3人も子どもがいて家計が大変な中、さらに治療費がかかるとなると…どうなってしまうのだろう?」と、父親としては非常に心配でした。

安田 奥様は、「4人とも立派に育てます」と、きっぱりおっしゃったそうですね?

山口 妻は、私が中絶も選択肢に入れていることに気付いていたらしく、先に両親に「何かあったら手伝ってください」と頼んでいました。「経済的に厳しくなったら、私も働きに出るから」という話もしていたそうです。なんとしてでも産むという妻の決意を感じ、言葉はよくないかもしれませんが、そこで私は観念しました。2人でしっかり育てていこうと心に決めました。