生態系や動植物も都内と全く違い、息子も大興奮

 いざ、島内一周ハイキングへ。大人の足なら1時間ほどで回れますが、小さな子ども連れでゆっくり歩くと2時間くらいかかります。

 アップダウンがあり、階段も多いので、ベビーカーは持っていかずに抱っこひもでの散策がオススメ。島内を歩く際に使う「杖」の無料貸し出しサービスもあります。この気遣い、うれしいですね。子ども用の短い杖も用意されています。

 一歩足を踏み入れると、そこはまるでジャングル! 緑がうっそうと生い茂る深い森にはシダ植物などが生えています。1時間ちょっと前まで東京にいたのが嘘のよう。思いっきり深呼吸して、森林浴を楽しみました。

息子 ママー! でっかいカタツムリ見つけたよ!

 息子が、手のひらくらいありそうな巨大なカタツムリを発見! アリも大きくて、「この島の虫、なんだか他とちょっと違うぞ!」と、虫を見つけては大興奮。この島には貴重な生態系や動植物が残っています。

 さらに進むと、石積みの切り通しが現れました。実は猿島は昔、“要塞”だったんです。東京湾口の守りを固めることを目的として、明治政府が建造。すべての施設が岸壁を堀り込んで作られているため、島の外からは全く見えない構造になっているのだそうです。こちらの露天掘りの幹道にはいくつかの部屋が並んでいます。小窓があるのが兵舎で、窓のない部屋は弾薬庫です。

息子 ママー! トンネルがあるよ!

娘 行ってみよう!

 現れた長いトンネルは“フランス積み”という方式でレンガを積み上げて作られたもの。日本に4カ所しか現存していないため、建築史上、大変貴重なものなのだそうです。