つらくなってからがトレーニング
―― 筋トレ全体を通して、注意点はありますか?
古家 呼吸ですね。ちゃんと1回1回、吐いて吸うようにしてください。息を吐きながら自分の体を上げて、息を吸いながら下がります。
―― リキんでしまって、息を止めてしまいがちですよね。
古家 血圧が上がって危険な状態になりかねないので、呼吸は止めないでください。一瞬だけならいいのですが、毎回それをやっていると血管に負担がかかって、ケガのリスクが高くなってしまいます。
―― なるほど。この3種の筋トレに、週2回のランニングを行えば……。
古家 自宅でできるトレーニングとしては、もう十分です。
―― たった10分の筋トレとはいえ、結構ハードですよね。
古家 ラクなトレーニングは体に負荷がかかっていないので、実質的にトレーニングになっていないんですね。僕はいつも「つらくなってからがトレーニング」と言っています。
たった10分でも、それをやりきれるようになるとメンタル面も鍛えられます。つらいことでも乗り越えられる自分に気付くと思います。同時に、自分の弱さも明らかになりますが、弱さに気付くことは強さにつながりますからね。「つらくて途中からラクなフォームにしてしまったな(次はしっかりやろう)」「俺は弱いな(だから強くなろう)」って。
10分筋トレの習慣を通じて、克服する力もつけてほしいですね。メンタルが強くなると、仕事でも私生活でも壁にぶち当たったときに、「逃げないで立ち向かっていこう!」っていう行動が取れるようになると思います。
(取材・文/北野啓太郎、日経DUAL編集部 撮影/川田雅宏 トレーニング写真は『自重筋トレの教科書』より)