背中を鍛えるのが一番カッコいい
―― スクワット、腹筋ときて、その次となると…。
古家 背筋ですね!
―― やっぱり腕立て伏せではないんですね(笑)。
古家 違いますね(笑)。「厚い胸板や太い腕は、見た目が暑苦しいから鍛えなくてもいい」と第1回でも話しましたが、腕立て伏せで鍛えられる筋肉は普段の生活で頻繁に使っているから、わざわざトレーニングする必要性が低いんです。どうしても鍛えたければ、子どもをしっかりと抱きかかえて遊んであげたり、買い物の帰りに重い荷物を持ってあげたりしてください。子どもにも奥さんにも喜んでもらえるし、自己満足の腕立て伏せよりよっぽどいいですよ。
でも、背筋は意識的にトレーニングしないと鍛えられません。しかも、背筋を鍛えたときが一番カッコいいんです。何度も言いますが、男にとって大事な筋肉は、胸と腕じゃない。背中です。
―― では、その背中の筋肉は、どうやってトレーニングすればいいのでしょうか?
古家 背筋のトレーニングはマシンや鉄棒が効果的なので、道具のない家でやるのは実は難しいんです。でも、あるものを使えば背筋を鍛えられます。
―― えっ、何でしょう?
古家 それはダイニングテーブルです。ダイニングテーブルの下に潜って、斜め懸垂のようなトレーニングをすると広背筋が鍛えられるのです。
―― そういえば、胸や足の筋肉痛は分かりますが、背中の筋肉痛ってあまり経験がないですね。
古家 やってみますか? もし僕が今ここで、記者さんに懸垂のトレーニングをさせてもらったら、明日から1週間腕が上がらなくなると思いますよ(笑)。背中がケガしたんじゃないかと思えるほど筋肉痛になります。
背中のトレーニングの目標は、「公園で懸垂がひょいひょいできるお父さんになる!」ですね。
―― 子どもと公園に行ったとき、軽々と懸垂できたらカッコいいですね! 懸垂で鍛えられるのも、広背筋なのでしょうか。
古家 そうです、広背筋が鍛えられます。ただし注意点があって、鉄棒を握るときの持ち方は順手にしてください。逆手だと、腕の筋肉が関与してしまって、上腕二頭筋のトレーニングになってしまうんです。
順手で持って、できるだけ手の間隔を広げてください。これは腕を極力使わないようにするためです。そして、脇を締める意識で体を持ち上げると、背中の筋肉がぐーっと動かされるんです。反動を使わないように気を付けて。そして、頭は鉄棒より前。鉄棒を背中のほうに落とすイメージです。
―― うわ、聞いただけでもかなり厳しそう。かなり効きそうですね。
古家 これは効きますよ! 近くの公園で懸垂があれば、ぜひやってみてください。