20歳前後は筋肉がつきやすいゴールデンエイジ。30代に入ると……

―― 30〜40代になると、余計な脂肪がつきやすくなるのはなぜでしょうか。

古家 筋肉量の低下が原因です。高校生や20歳前後は“ゴールデンエイジ”と言われていて、極端な話、何もしなくても肉だけ食べていれば筋肉がつくような年齢です。筋肉量は20代がピークで、30~40代に入って何もトレーニングをしなければ、毎年2%ずつ減ると言われています。

 筋肉量が減ると、基礎代謝も落ちてきます。そうなれば、それだけカロリーを消費しなくなるので、以前と同じものを食べていたとしても「最近、太りやすくなったなぁ」ということになるのです。

―― 30~40代に入ると筋肉量が低下してくるということは、筋トレをサボるとあっという間に筋肉が落ちていくということですね。

古家 そういうことです。若いときは筋肉量が簡単に維持できて、さらに筋トレをやればすぐに筋肉がつきますが、30代以降は、筋肉量を維持するだけでも一苦労。さらに筋肉を増やすためには、それなりのトレーニングが必要になってきます。だから、筋トレを習慣化して、まずは筋肉量を維持することが重要なんです。

―― 20代と30代以降とでは、筋肉のつき方にも違いはありますか?

古家 筋肉に高い負荷をかけると、成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンは、筋肉を増大させるほか、脂肪を分解させる作用があります。筋トレとは、成長ホルモンを分泌させるためにやるようなものなんです。

 この成長ホルモンは、若いときはものすごい量が出ます。少し追い込んだ筋トレをするだけで成長ホルモンがドバドバ出ますし、寝ている間にも成長ホルモンが出て、筋肉がモリモリ増えて脂肪を燃やしてくれる。でも年齢を重ねると、この成長ホルモンが出にくくなるんです。若い子と同じトレーニングをしたとしても、同じ量の成長ホルモンは出てくれません。だから30代以降は、若者よりもっとトレーニングをしないと、体はだらしなくなる一方、ということになります。

―― 30代以降は、今の体を維持するだけでも大変なんですね。

古家 私のように日々筋トレをやっていても、もうアラフィフなので、どうしても年々筋肉量は落ちていきます。だからといって、負荷を上げ過ぎるとケガのリスクが高くなりますし、頻度を上げると疲れがとれなくなる。ケガをしたり疲れがたまったりするとトレーニングができなくなるので、そこでまたガクンと筋肉量が落ちる。なかなか難しいジレンマなのですが、まずはコツコツ、「10分筋トレ」を続けることが体を維持する秘訣です。