デオドラント商品は「自信回復剤」だが、使い方には要注意
上編でもお伝えしましたが、「自分は臭っているのではないか?」「他人を不快にしているのではないか?」という不安は、人を消極的にさせます。他人との関わりを避けたり、外出できなくなったりするからです。
こうした不安を解消するために、ドラッグストアなどで販売されているデオドラント商品を活用するのは有効な手段です。軽度、中程度の体臭であれば、デオドラントで臭いをかなり抑えることができます。さらに、「これを使っているから大丈夫だ!」という不安解消にもつながります。
そのため、デオドラント商品は“自信回復剤”とも言えるのです。積極的に使って問題ありません。
ただし、デオドラントをついつい全身にスプレーしてしまうのは危険です。あまり知られていませんが、デオドラントは使い方を誤ると、逆に体臭を悪化させ、健康を損なう恐れがあるのです。
汗を抑える効果がある制汗剤やデオドラントには、「収れん剤」という成分が入っています。もし、これを腕や胸にもスプレーすると、汗が抑えられ過ぎて体温調節ができず、夏には熱中症になる恐れがあるのです。
制汗剤が使える部位は、実は体に2カ所しかありません。それは脇と足。脇は汗をかいてもほとんど蒸発させられず、湿気がこもります。足も同じく、靴下や靴をはいているので、汗をかいてもこもるだけ。汗をかいても蒸発させられないこの2カ所が、制汗剤の有効な部位となるのです。
また、制汗剤の多くには殺菌作用も含まれています。むやみに使うと、皮膚にいる常在菌を殺してしまいます。常在菌が殺菌されることで黄色ブドウ球菌やジフテロイド菌などの病原菌が増殖し、逆に体臭を悪化させてしまうのです。