メディアアーティスト・大学教員・経営者の落合陽一さん。創作活動や研究にとどまらず、著書の執筆やメディアへの登場など、その活躍ぶりはまさに八面六臂。落合さんは8歳のときに祖父に買ってもらったパソコンを通じて論理的思考や問題解決能力を育んだことが、今の活躍に結びついていると振り返ります。ではそんな落合さんの、「My First PC」との出会いとは?



 パパママにとってうれしい、わが子の進学・進級。お祝いに子どもの成長につながるものを贈ろうと考えている人もいるのではないでしょうか?

 例えば、パソコンはその1つ。2020年から小学校でプログラミング教育が必修化され、パソコンは子どもの学習にとっての必須ツールとなっています。

 とはいえいざ、子どもにパソコンを買い与えるとなると躊躇してしまう人も多いはず。「ネットの閲覧やゲームばかりするようになったらどうしよう」「オンラインゲームにハマって、知らないうちにとんでもない額の課金を要求されないだろうか」「『出会い系』などのアダルトサイトにアクセスさせないようにしなくては…」と、不安の種はつきないもの。

 一方で子どもがパソコンを使うことは、知的好奇心が刺激され世界が広がり、「頭のよい子に育つ」という、大きなメリットもあるのです。偏差値65以上の難関校に通う中高生の3人に1人は自分専用のパソコンを持っている(WDLC「はじめてのマイパソコンMy First PC」より)という調査結果もあります。

 また、「ペアレンタルコントロール」を利用すればインターネットやアプリケーションなどへのアクセスを管理できるので、子どもに悪影響を及ぼす可能性のあるコンテンツから遠ざけたり、1日当たりの利用時間を制限したりできます。

 ICT(情報通信技術)は今後、「使いこなせて当たり前」と言っても過言ではない状況になるでしょう。(子どもにパソコンを持たせることは)「危ないから」などといって遠ざけたままでは、子どものキャリアや能力の開発には、不利に働くリスクを考えたほうがいい。

創作活動に、研究にと八面六臂の活躍で多忙な日々を送るメディアアーティストの落合陽一さん
創作活動に、研究にと八面六臂の活躍で多忙な日々を送るメディアアーティストの落合陽一さん

 現実に、幼少期にパソコンを与えられたことが自らの潜在能力を引き出すことにつながったと感じている「天才たち」が存在します。8歳のときに祖父から買ってもらったパソコンを通じて論理的思考が育まれ、それが今の大活躍につながっている――。そう振り返るメディアアーティストの落合陽一さんも、その一人です。

 落合さんは1987年生まれの30歳。私立開成高校を卒業後、筑波大学でメディア芸術を学び、東京大学で学際情報学の博士号を取得しました。2015年、28歳 のときに世界最先端の研究者を選ぶ米ワールド・テクノロジー・アワードの「ITハードウェア部門」で、日本人として2人目の受賞。現在はメディアアーティストとして、大学教員として、そして経営者として――と、多忙な日々を送っています。

 そんな落合さんに、子ども時代からパソコンに親しむことの利点を聞きました。