プログラミングを学ぶと「論理的思考」が得意になる

──子どものころからパソコンに親しんだことで、どんなメリットがあったと思いますが?

落合 世代によるとは思いますが、ぼくの世代は子どもの頃にパソコンを買ってもらっていたことで、プログラミングができるようになったという人が多いでしょうね。

 ぼくの場合は小さい頃からパソコンを分解していたので、「大抵のものは“バラす”ことができる」ことも学びました。中がどうなっているのか見たい、仕組みを知りたいという意識はずっと強かったです。パソコンくらいの“中密度”のものだと、組み立ては人間がやっていますから、バラして仕組みを理解できるようになっているんですよ。

 それからプログラミングを学んだことで、論理的に考える習慣も身についたと思います。例えば、数学の集合論はプログラム言語をやっていると理解が早いと思いますよ。ボクは妻や義母に、「何を言っているのか全くわからないから、プログラミング言語の制御文で説明して」って言うことがあるんですけど、2人とも固まっちゃいますね(笑)。

パソコンが「社会の問題はテクノロジーで解決できる」と教えてくれた

──これからの子どもには早めにパソコンを持たせた方がいいと思いますか?

落合 そう思います。パソコンがあると、できることが全然違うから。例えば「社会的な問題をテクノロジーで解決する」という考え方を持つことって非常に重要だと思うんですよ。アメリカ人がそうで、社会課題は技術があれば解決できるはずだと考える。一方で日本人は、制度を変えようと考えます。その違いって大きいですよね。

──「パソコンがあると、できることが全然違う」というのは、言い換えれば「技術の力を借りれば、自分が直面している問題を解決することだって難しくなくなる」ということでもありますね。

 うん。アメリカの技術系ベンチャーが盛んなのは、そういう思考が土台にある。「この問題ってテクノロジーで解決できるよね。じゃあ開発しよう。それでパテント(特許)を取って会社を作れば俺たちも金持ちだ!」という流れがごく当たり前にある。でも日本には、そういう土壌がないですよね。

 テクノロジーで問題を解決できる人たちだから、エンジニアってアメリカではリスペクトされているし、収入も高い。一方で日本ではその技術者に対して、まるで「下働き」のようなイメージがある。この差は大きいですよね。

子どもには、「生まれたとき」にスマホをプレゼント。早いうちからPCも

──昨年、お子さんが生まれたということですが、どんなふうに育って欲しいですか?

落合 物理現象と仲良くして欲しいです。この世界にはいろいろな法則があります。自分が身につけた様々な知見が連綿とつながっていて、「自分が生きているこの世界って、1つの大きな知恵の輪みたいなものなんだな」って思えると、人生は楽しくなると思いませんか?