8歳のときに、ぼくがパソコンを家に導入した

──まずはパソコンとの「出会い」について教えてください。

落合 ぼくが8歳のとき、日本で「Windows 95」が発売されました。(それまで一部の人のものだったパソコンを「身近な存在」にした画期的なOSだったこともあり)テレビでも「Windows 95」というコトバを聞かない日がないくらいで「パソコンは面白そう」「インターネットっていうのは、すごいものらしい」など感じ、急に欲しくなったんです。それで、おじいちゃんを説得して買ってもらいました。パソコンはまだ高かった時代で、数十万円はしたと思います。

──当時、ご自宅にパソコンはありましたか?

落合 ありませんでした。親父(国際ジャーナリストの落合信彦さん)も原稿はワープロで書いていた時代です。だからパソコンを家に導入したのは、ぼくなんです。インターネットにも、ぼくがサポートセンターに電話をしながらつなぎました。「坊や、○○ってわかる?」「わからない」みたいなやり取りをしながら(笑)。サポートセンターの人が優しかったのでなんとかなりましたが、めちゃくちゃ大変でした。

8歳で初めて買ってもらったパソコンは、自分でサポートセンターに電話して、インターネットにつなげたといいます。
8歳で初めて買ってもらったパソコンは、自分でサポートセンターに電話して、インターネットにつなげたといいます。

 その時に面白いと思ったのは、インターネットに接続するときの音です。当時はダイヤルアップ接続で、「ピ〜ヒョロヒョロプップッー」って鳴るじゃないですか。あれを聞いて「いつか口で再現できないかな」と思っていました。FAXを送るときも同じ音がしているじゃないですか。そういうことは(「音」にどういう意味や役割があるのか、などの疑問からさまざまなことを考えるなど)いま、ぼくがやっている研究にもつながっているかもしれませんね。

CGが都会っ子の「粘土遊び」。小学校の宿題は、“パワポ”で制作

──子どもの頃はパソコンでどんなことをしていたのでしょうか。

落合 始めはインターネットでいろんなホームページを見たり、CGで遊んだりしていました。パソコンを購入した1〜2年後に、子どもでもCGをいじることができるソフトが発売されたんです。CGを描いたり動かしたりして遊ぶのが楽しかったです。誰かに発表するためというわけではなく、「粘土遊び」と同じ感覚で、遊びの1つでした。

──ゲームなどはやっていましたか?

落合 ゲームは小学校2年生のときに、スーパーファミコンを買ってもらったのが最初。パソコンでは、「リネージュ」「Ultima Online」など、オンラインゲームをいくつかやっていましたね。

──落合さん、都会の、さらにど真ん中で育ってますよね? そんな「超都会っ子」の落合さんにとってはパソコンが「公園代わり」だったりしたんでしょうか。

落合 そっか、公園ね(笑)。そういう面はあったでしょうね。